特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

医療業界の就労環境改善や、適正な人材評価が行われるための仕組みづくりをお手伝いします。

メルマガバックナンバー・第10号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第10号◇◆ 
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2010/9/28 ━━━ 

◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇ 
〔1〕第2回 キャリアイノベーションセミナーの実施のご報告 
      ◆実施報告:セミナー担当理事 藤巻わかえ氏
   ◆セミナー参加者の感想
〔2〕『イージェイネットがズバリ聞く!働きやすい病院の作り方Q&A②』
   回答者:島根大学医学部附属病院   秦美恵子氏
           〃          内田伸恵氏
〔3〕これからのイベントのお知らせ 
   茨城県:「持続可能な女性研究者支援 筑波大スタイル」
     第2回シンポジウム 
〔4〕 ホスピレート説明会の日程(9~10月分)  
〔5〕 NPO法人イージェイネット メルマガ事務局よりお知らせ
 

◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇ 
◆イージェイネットは、3月の第1回キャリアイノベーションセミナーに
次いで、9月12日(日)に第2回セミナーを東京で開催いたしました。
セミナーには女子医学生と若手女性医師11名が参加しました。少人数で参
加者同士が議論して進行するチュートリアルスタイルだけに、暑かった夏
に負けぬ熱い議論となりました。
担当理事の藤巻わかえから、セミナーの報告と、参加者の女子医学生女性
医師の生の感想をお届けします!
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[1]第2回イージェイネットキャリアイノベーションセミナー実施のご報告
キャリアイノベーションセミナーは、次世代のリーダー育成とネットワーク
作りを目的として今年3月にスタートしました。
初回セミナーで「キャリアアップをめざす時の気持ちのあり方」を議論した
ことを受け、今回は、キャリアを継続するために必要な「女性医師支援策」
をテーマに選びました。
セミナーは、ある女性医師の体験をもとに作成された課題文が順次参加者に
提示され、そこに示された妊娠中や育児に伴うキャリア継続上の具体的なト
ラブルを参加者が仮想体験することから始まりました。
参加者はその都度、自分だったらどうするのかを真剣に考えて議論しました。
また議論の中で抽出された様々な疑問ーたとえば、当直は宿直か? 研修制
度とは? 育休とは? 保育所の種類は?ーについて、提示された資料に
よって学びました。
議論の後には、「ある女性医師」のモデルとなった竹内千仙先生(東京女子
医大)から、女子医大の女性医師支援策を受けて困難を乗り越えた体験談を
伺いました。さらに、チューターを務めた竹宮孝子先生(東京女子医大)か
ら、女性医師支援策の現状を伺いました。
今回のセミナーでは、参加者が「ある女性医師」の体験を自分の中でsimula
tionすることで 、漠然としていた不安が具体的に見えるようになり、家庭
をもつこととキャリア形成の両立を前向きに考えることができるようになっ
たようです。アンケート結果では、前回に引き続き、討論形式が全員に支持
されました。
次回のテーマ希望は、留学が3位からトップへ、仕事と家庭の両立は前回に
引き続き2位になりました。キャリア継続への不安が軽減し、具体的なキャ
リアに目が移りつつあるようです。
なお今回のセミナーは、厚労省「女性医療従事者の支援に関する研究」研究
班との共催で行われました。また企画立案は、学生プログラム委員によるも
のであることを申し添えます。
●女子栄養大学 人間医科学 教授
藤巻 わかえ(イージェイネット・セミナー担当理事)
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◆今回のセミナー参加者11名のアンケート結果&感想を一部ご紹介いたします。
1)参加者11名の所属:女子医学生9人 (1~5年生)
            女性医師(研修医)2人   
2)今日のセミナーの内容に興味がもてたか?
  →強くそう思う11人(全員)、ややそう思う0人、他0人 
3)このセミナーを通じて、知識や考え方に広がりができたと思うか?
  →強くそう思う10人、ややそう思う1人、他0人 
4)参加者を中心とした討論形式は良かったか?
  →強くそう思う11人(全員)、他0人
5)このセミナーは、将来の自分のキャリアパスに役立つと思うか?
  →強くそう思う10人、ややそう思う1人、他0人
6)全体としてこのセミナーに参加して良かったと思うか?
  →強くそう思う11人(全員)、 ややそう思う0人、他0人
7)今後とりあげて欲しいテーマは?(複数回答可)
  第1位:留学             9人
  第2位:仕事と家庭の両立 7人
  第3位:女性医師支援制度 6人
  第4位:学位、結婚     5人
  第5位:専門医      4人 
8)今日のセミナーについての感想や要望は?(自由意見)
■ 具体例を参加者みんなで検討することによって、自分と似た疑問や不
安を抱いている人がいる、とわかっただけで心強かった。また、異なる意
見を聴いて、世界が広がった気がする。竹内先生の体験談を聴いて、より
女性医師の問題を身近に感じた。
■ PBL方式で少人数で皆が発言できる雰囲気がとても良かったと思います。
具体的な先生のお話や、その時々の気持ちの変化を話して下さったので、
イメージしやすく、とても貴重な機会でした。
■ 資料も適切で、とても良かったです。実際のロールモデルの先生のお話
を聞けたことも大きかったです。
■ 女性医師のキャリアについて深く考えるきっかけになったので、良かっ
た。チュートリアル方式で他人と議論するなかで、いろいろな考え方を聞
くことができたし、自分の考えかたもまとまったと思う。
■ 実際に自分が悩みにぶつかったときに、話を聞いて下さる先生方がいる
と知って、良かったと思います。
■ 非常に啓発的なセミナーで、充実していた。小さいことを気にしすぎず、
「何とかなる」と前向きにかまえておく大切さを実感した。とてもステキ
な会場で、すばらしい時間を過ごせた。
■ 悲観的になることはないんだな、と思うことができた。討論の形をとっ
たのも、とても良かった。
■ 具体的な事例についてチュートリアルをしていったため、将来自分が似
たような問題に直面した際の解決策の一つになったと思います。
■ 今まで漠然と「将来どうするのだろう」と考えていたことについて、先
生方のお話や他の方の意見を聞いたりするなかで、大分イメージがつかめ
ました。消極的に考えるのではなく、積極的に自分から行動する大切さも
知りました。今回様々なことを学ぶことができ、本当に参加して良かった
です。
■ 具体的なお話が聞けたのが良かったです。他の方の意見もとても参考に
なりました。
■ 様々な大学、先生方の貴重なお話を沢山伺うことが出来、大変充実した
時間でした。今後のキャリアプラン作りを前向きに考えられました。
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〔2〕『イージェイネットがズバリ聞く!働きやすい病院の作り方Q&A②』
   回答者:島根大学医学部附属病院   秦美恵子氏(看護部長)
           〃          内田伸恵氏(WLB支援室長)
*今回のQ&Aでは、看護師さん達へのキャリア継続や復帰支援、ホスピ
レート受審についての経緯など、詳しくお伺いいたしました。
前号のQ&Aの後半編となりますが、今月も読み応えのある内容ですので
ぜひご一読ください!
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■Q1
看護師の中途退職の理由の多くに出産・育児が挙げられます。貴院における
看護師への産後・子育て中の離職防止や就労支援の取り組みについて、教え
て下さい。
□A1
島根大学医学部附属病院では、産後休暇後殆どの職員が育児休業制度を活用
しています。職場復帰一カ月前位には、半日ずつ2日間程度の復帰支援プロ
グラムを実施しています。
基本プログラムに個別ニーズを加味して、講義や演習など行い、お母さんも
赤ちゃんも職場復帰のための準備をして貰っています。配属部署では、夜勤
開始時期や回数の考慮など、他のスタッフの協力も得ながら進めています。
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■Q2
大学病院では、キャリアアップを目指す看護師も多いと聞きますが、キャリ
アアップを目指す看護師に対してはどのような支援を行っておりますか。
□A2
専門看護師や認定看護師を目指す看護職には、奨学金を支給しています。そ
の他、学会主催の各種認定等資格取得のための研修参加や認定試験等、毎年
個人レベルでもチャレンジできる機会があります。
敷地内にある医学部の看護学科・医学科で学ぶ職員への勤務計画等、現場レ
ベルでの支援も協力的です。
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■Q3
医師・看護師に対して育児休暇中の在宅学習支援や復帰支援トレーニングシ
ステム等が構築されつつあると聞いていますが、どのような内容で実施され
ておられますか。
□A3
院外も含めた潜在看護師や当院の育児休業中の看護職員に利用できるWebを
介した在宅学習と技術演習があります。基礎看護技術等のDVD学習と、シ
ミュレーターを活用したフィジカルアセスメントや技術演習を受講できます。
最近では育児休業期間が1年程度の職員が殆どなので、その間はしっかりお
母さんに徹して、復帰支援プログラムで対応しているケースが多くなりまし
た。
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■Q4
2007年3月にイージェイネットの働きやすい病院評価事業(ホスピレート)
を受審するに至った経緯を教えて下さい。またホスピレートを受審した後
に、病院スタッフや患者さんらに何らかの反響等がありましたら、それも
ぜひ教えてください。
□Q4
当院の病院長には「職員の就労環境への満足度が上がって初めて患者サー
ビスと医療レベルが上がる。」との持論があります。まず、女性の離職率
を低下させることは、医師、看護師不足の解消に直接的な効果があります。
「働きやすい病院評価」の認証を取得することにより、復職希望の女性医
師等医療従事者への本院の認知度が高まり、優秀な人材の確保に繋がるこ
とを期待しました。さらに、職員が安心し満足感をもって働ける病院であ
ると第三者から評価されることにより、患者さんの信頼や安心感を得、患
者さんに選ばれる病院になりたいと、受審しました。
その後平成19年度の文部科学省の新しいキャリア継続モデル事業に、
「しなやかな女性医療職をめざして」という当院の企画がGood Practice
 (GP)として採択されました。「働きやすい病院評価」の認証等、病院全体
での取り組み状況が評価されたものと考えています。文部科学省の補助事
業期間中に、女性医療職の就労支援、復帰支援の仕組みを整備し、あわせ
て男性職員の意識改革などにも取組はじめました。
現在、女性職員の育児休業取得率は、ほぼ100パーセントとなり、育児
休業からの現場復帰も順調に進んでいます。
男性職員も少数ではあるが、育児休業を取得するようになってきており、
職場全体の意識改革も進んでいると考えています。
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■Q5
働きやすい病院としての島根大学医学部付属病院のアピールポイントは、
ズバリどんな所だと思いますか?
□A5
まず、ワークライフバランス支援室を中心とした育児支援、就労支援
(保育所、病児・病後児保育室、学童一時保育、カウンセラーによる相談
等)が軌道に乗り、院内職員への認知度も高まってきていることです。育
児休業からの現場復帰者も年々増加し、男性職員が育児休業を取得する例
も出てきました。
また、非常勤職員であった医員・研修医を常勤化して年俸制を導入するな
ど、人事管理面で全国的にも先進的な取組をしています。患者様に安全安
心の医療を提供していくことと、職員の安心満足を実現することは表裏一
体であると思っています。
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■Q6
最後に、イージェイネットメルマガ読者にお知らせしたいメッセージがあ
りましたら、よろしくお願いします。
□A5 
島根大学病院は新病棟を建設中で(2011年6月竣工)、さらにその後
外来棟の改築なども予定しておりダイナミックに変身中です。全国の医学
部附属病院では唯一、働きやすい病院評価事業の認証を受けている本院で
す。
患者様に安全で高度な医療を提供すべく、満足感・充実感をもって一緒に
働きたい方がいらっしゃいましたら、是非、ご連絡ください。
↓島根大学医学部附属病院のホームページはこちらです。
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〔3〕これからのイベントのお知らせ 

①<茨城県>
「持続可能な女性研究者支援、筑波大スタイル」第2回シンポジウム
◆平成 21 年度に採択された文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支
援モデル育成」事業 第2回シンポジウムを下記のとおり開催いたします。 
今回は、<女性研究者のワーク・ライフ・バランス>と題して、多様な女性
研究者のご講演、事業活動の成果報告に加え、「ポジティブ・アクションは
必要でしょうか」と題したパネル・ディスカッションを行います。 
【日時】9月30日(木)13時15分~17時20分
【場所】筑波大学大学会館 国際会議室
【基調講演】 
  喜多悦子氏(日本赤十字九州国際看護大学長) 
   「先進国型医療から途上国型国健へ-めぐり会った女性とその問題-」 
【特別講演】 
  Karen Aardal 教授:オランダ Delft 大学 
  「 Women in Science in The Netherlands and Europe -- Facts and 
   Personal Experience 」 
【事業報告】 吉瀬章子 男女共同参画推進室長 
【パネルディスカッション】「ポジティブ・アクションは必要でしょうか?」 
【主催】筑波大学 
【実施】筑波大学男女共同参画推進室 
【後援】茨城県、つくば市、筑波研究学園都市交流協議会 
*当日は終了後、懇親会も予定しています.
(事前申込制(会費: 3,000 円)大学会館内レストランプラザ) 
【お問合せ・お申込み】
氏名、所属、Eメールアドレスを男女共同参画推進室までメールでお願いい
たします。(託児室あり(事前申し込み 9/21まで)
geo@un.tsukuba.ac.jp  
★詳しいお問い合わせ等は男女共同参画推進室 遠藤雅子まで
(イージェイネット会員) endo.masako.gb@un.tsukuba.ac.jp 
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〔4〕働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(9~10月) 

【東京会場】 
日程:H22年 9月28日(火)18:30~19:30
   H22年10月26日(火)18:30~19:30 
場所:東京都港区西新橋1-5-8 西新橋1丁目川手ビル8F 
(JR新橋駅 日比谷口下車徒歩7分) 
http://www.hospirate.jp/map2.html 
↓お申し込みはFAXでお願いします 
http://www.hospirate.jp/eve/guidance_tokyo.doc 
【大阪会場】 
日程:H22年 9月24日(金)14:00~15:00
   H22年10月29日(金)14:00~15:00
場所:大阪市中央区本町 1-6-16 野村不動産 堺筋本町ビル8階 
(大阪市営地下鉄 堺筋線・中央線 
堺筋本町駅 13番出口より東へ徒歩2分 
堺筋本町駅 5番出口より北へ徒歩3分)  
******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局よりお知らせ♪>******** 
今回お送りしました9月配信(第10号)のイージェイネットメルマガはい
かがだったでしょうか? 
キャリアイノベーションセミナーは2回目の開催となりましたが、今回は厚
生労働省の女性医療従事者支援の研究班との共催で行われました。
企画立案も学生プログラム委員によるもので、参加者主体の少人数セミナー
形式であり、前回にも増して参加者の皆さんの満足度も高かったようです。
島根大学へのQ&A第2部は、大学病院の看護師のキャリア支援や復帰支援
等について秦看護部長さんや内田先生から、詳しくお伺いすることができま
した。島根大学からの、看護師・医師の両者への復帰支援に対するサポート
体制は手厚く、働くスタッフの安心感や満足度は高いのではないかとひたす
ら感心するばかりです。
当メルマガでは、当NPOのホスピレート認証を実際に受けている病院より教 
えて頂いた「働きやすい病院づくり」のポイントなど、参考になる情報を定 
期的にお届けしますので、今後ともNPO法人イージェイネットの活動にご支 
援くださいますようどうぞよろしくお願い申し上げます。(藤川) 
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NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/ 
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・維持
・向上をめざす会)) 
NPO法人イージェイネットブログも更新中!  
このメルマガに対し、ご意見・ご感想・ご質問がありましたらメルマガ担当 
の藤川までご連絡をお願いします。 
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川) 
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