特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

医療業界の就労環境改善や、適正な人材評価が行われるための仕組みづくりをお手伝いします。

Ejnetメルマガバックナンバー・第16号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第16号◇◆ 
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2011/3/30 ━━━ 

◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇ 

〔1〕「多様性活力発揮に向けての女性研究者支援
        ――岐阜大学男女共同参画推進室の取り組み紹介――」
●岐阜大学副学長(男女共同参画推進・環境対策担当)
                      /地域科学部教授(日本近代文学) 林 正子氏
〔2〕“多様な人材が活躍することによる組織の活性化
               (Diversity Empowerment)”について
●岐阜大学保健管理センター・大学院連合創薬医療情報研究科教授
                                  山本 眞由美氏
〔3〕イベント実施報告
①島根県:島根大学医学部附属病院
・平成22年度第2回ワークライフバランス支援室講演会
・『ワークライフバランスを支援する制度及び手続き等』パンフレット
 ー看護師用ーのご紹介
②香川県:香川県医師会
・平成22年度 女性医師の勤務環境の整備に関する病院長、病院開設者・
 管理者への講習会  
〔4〕ホスピレート説明会について
 *4月は説明会はお休みです。5月以降はHPを通じて告知予定です。
◆◇NPO法人イージェイネット メルマガ事務局よりお知らせ◇◆
 

◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇ 
*今回の東北地方太平洋沖地震におきまして、犠牲となられました多くの方
々に対しまして、謹んで御冥福をお祈り申し上げます。また、現在も避難さ
れている方をはじめとして、被害を受けられた方々には、イージェイネット
からも心からお見舞いを申し上げますとともに、一刻も早い復旧をお祈りし
ております。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
〔1〕「多様性活力発揮に向けての女性研究者支援
        ――岐阜大学男女共同参画推進室の取り組み紹介――」

 岐阜大学で日本近代現代文学と文化論の講義を担当しております林正子と
申します。この度、イージェイネットメールマガジンを愛読なさっていらっ
しゃる皆様に、勤務先で携わっております男女共同参画推進事業を紹介させ
ていただく機会をいただきました。去る2011年2月6日(日)に岐阜県医師会
館で開催された「女性医師支援講演会」で、イージェイネット代表理事の
瀧野敏子先生とご一緒させていただいたご縁です。
貴重な機会をいただきました瀧野先生、そしてメルマガご担当の藤川愛先生
に、まずは心よりお礼申し上げます。
 瀧野先生の前掲特別講演「プロフェッションとしての女性医師を支援する
には」でも、「Diversity and Inclusion Management(多様性の受容と包含)
」、「人生や価値観の多様性を認めたうえで、様々な人々を取り込み、組織
として競争力をつけて業績をあげることで、社会貢献する」という、有意義
でわかりやすいコンセプトが提示されていましたが、私たちの女性研究者支
援活動でも、「多様性活力発揮」がキー・ワードとなっています。
 岐阜大学では、「男女共同参画計画を策定し、全学的に男女共同参画を計画
的に推進する」という中期計画のもとに、昨春2010年4月「男女共同参画推進
室」を設置しました。この課題について少々遅ればせながらの出発ですが、
幸先よく、2010年度文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル
育成」事業(3年間)として採択され、そのプログラム『多様性活力発揮に向
けての女性研究者支援』の取り組みをはじめ、男女共同参画実現に向けた基
盤づくりを進めているところです。
 ちなみに、この文部科学省科学技術振興調整費による「女性研究者支援モデ
ル育成」事業とは、「女性研究者がその能力を最大限発揮できるようにする
ため、大学や公的研究機関を対象として、研究環境の整備や意識改革など、
女性研究者が研究と出産・育児等の両立や、その能力を十分に発揮しつつ研
究活動を行える仕組み等を構築するモデルとなる優れた取組を支援する」た
めに設けられた助成金による事業です。これまで全国で55大学・研究機関が、
この振興調整費による事業に取り組んでいます。
 ともあれ、瀧野先生の「Diversity and Inclusion Management」の「Dive
rsity」も、私たちの「多様性活力発揮」の「多様性」も、価値観・考え方・
年齢・性別・国籍・経歴などが「多様な人材」のエネルギーを活かすことを
趣旨とするものです。さまざまなスタッフが職場で切磋琢磨し、協調するこ
とによって、新たな価値や活力を創造することを目的とする活動です。
**********************************
 本学の事業課題『多様性活力発揮に向けての女性研究者支援』は、
(1)「意識改革」、(2)「女性研究者育成」、(3)「女性研究者支援」、
(4)「人的資源循環支援」を4つの柱としています。
 その内容の一部を挙げさせていただきますと、(1)「意識改革」として
は、大学を構成する学生および教職員が、「生理的性差」だけでなく「社会
的・文化的な性のありよう(ジェンダー)」について理解を深める機会を企
画し提供することに努めています。
 男性も女性も快適に学び、働くことのできる大学づくりを実現すべく、
「男女共同参画行動計画」の制定、啓発セミナー・シンポジウムや教職員を
対象とした勉強会(FD・SD)の開催、在校生を対象とする人権学習やジェン
ダー研究関連授業の充実などを図っています。
 また、男女共同参画推進室の活動報告と啓発活動の趣旨で、「顔が見える
活動」という意味をこめたニューズレター「かもみーる通信」を毎月発行し、
構成員の「意識改革」に繋がる情報提供をおこなっています。カモミールは、
岐阜大学男女共同参画推進室のシンボル花でもあります。「親交」「逆境に
負けない強さ」の花言葉のごとく、スタッフ・メンバーが構成員と親しく交
流し、男女共同参画社会の実現という目標に向かって、粘り強い活動を展開
してゆきたいという希望を託しています。
(2)「女性研究者育成」としては、女性研究者の裾野の拡大と女子学生を
研究者としてのキャリアパスに導くことを企図しています。女子学生キャリ
アガイダンスの実施、女性研究者によるロールモデル(行動や考え方の模範
となる人物像)の提示、女子学生の進路・生活面の相談に応えるメンター制
度の実施、女性研究者と女子学生との交流拠点「カモミール・カフェ」の設
置・運用、女子大学院生による小中高等学校への出前講義(「サイエンス夢
追い人」育成プロジェクト)などの取り組みも進めているところです。
(3)「女性研究者支援」としては、女性研究者の研究継続および研究環境
の改善が使命となっています。出産・育児・介護に関わる女性研究者の研究
継続を支援する研究補助員を配置する制度、若手女性研究者を対象とする学
内研究者および学外者によるメンター制度の実施、学内保育園のさらなる充
実を課題としてとらえています。在宅勤務の可能性を追求するために、学外
からも大学の情報入手や研究推進が可能となるよう、インターネットを活用
したシステム(テレワークシステム)整備についても模索しているところで
す。
(4)「人的資源循環支援」という地域連携の項では、自治体等と協働した
人的資源循環をめざして、男女共同参画に関してのネットワーク作り、連携
の促進に取り組んでいます。昨年12月11日(土)には、岐阜県・岐阜市の支
援を得て、男女共同参画推進の当該部局の方々とともに、「岐阜大学発 男
女共同参画社会の実現をめざして――企業の成功例に学ぶ――」を開催し、
地域の皆様との連携に糸口をつけたところです。瀧野先生と邂逅させていた
だいた岐阜県医師会の講演会に参加といったことも、連携の最たる事例です。
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 以上、断片的ではありますが、職場での男女共同参画推進に関わる取り組
みについて、その概略を紹介させていただきました。盛りだくさんのメニュ
ーとなっており、ひとつひとつの実践活動の成果を着実に挙げることができ
れば、「男女共同参画社会」の実現は決して遠い夢ではないでしょう。しか
しながら、多様性を活かして共に生きることの幸福を満喫するためには、ま
だまだ困難な課題が目白押しです。
 男女共同参画推進のための活動は、もちろんのことながら、「女性研究者
支援」に限定されるものではありません。厚生労働省のデータによると、20
09年の男性の育児休業取得率は1.72%。育児に関わる父親を表現する「イク
メン」なる言葉も、全国的に普及しつつありますが、本学の育児休業取得は
皆無の状況です。これまで往々にして、育児・介護は女性の仕事とされてき
たその背景には、職員の場合には休業による昇進の遅れ、収入減、研究者の
場合には研究の遅滞等さまざまな要因が考えられるでしょう。構成員のワー
ク・ライフ・バランスの実現に向けて、抜本的な改革が求められています。
 そのためにも、本学の場合、まずは、ご紹介させていただきました科学技
術振興調整費事業による取り組みを推進することで、女性研究者のワーク・
ライフ・バランスの改善を実現し、その成果を活用して、女性職員さらに男
性研究者・職員、学生たちへと、活動の輪と和を拡げてゆくことをめざして
います。粘り強い草の根活動によって、小さな取り組みが少しずつ波紋を描
き、学内はもとより地域の活性化にも寄与できることができることを夢見な
がら――。
 全スタッフがやりがいを持ち能力を発揮できる職場の実現をめざす、イー
ジェイネットの皆様、メールマガジン愛読者の方々の日頃の熱意あふれる活
動に、心より敬意を表します。皆様の誠心誠意の取り組みから学ばせていた
だくこと、また「多様性活力発揮社会」の実現をめざして、異分野異業種の
さまざまなネットワークが構築されることを願ってやみません。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
●岐阜大学副学長(男女共同参画推進・環境対策担当)
                      /地域科学部教授(日本近代文学) 林 正子氏
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〔2〕“多様な人材が活躍することによる組織の活性化
               (Diversity Empowerment)”について

 岐阜大学医学部では、女性医師支援の会が、皮膚科 清島真理子教授の御尽
力のもと設立され、地域医療医学センターの村上啓雄教授、松本茂美講師、
奥村陽子講師らの献身的な取り組みがすすめられています。
 一方、岐阜大学には男女共同参画推進室が立ち上がり、林正子副学長を室
長に、女性研究者支援の具体的な取り組みが始動しています。
(林正子先生のコラムを参照下さい)
 ところで岐阜大学では、“多様な人材”の能力を最大限に発揮してもらう
ことが、大学としての究極の目標と考えています。“多様な人材が活躍する
ことによる組織の活性化と組織力の強化(Diversity Empowerment)”を目指
しています。今回は、このDiversity Empowermentについて述べます。
 私は、1995~1998年に南フロリダ大学(米国)に研究者として、また、MBAの
学生として在籍しましたが、Diversityという概念は、1990年代の米国大学で
はひとつのブームであったようです。人種、性別、国籍、文化、経歴も含め
多様な人材が、それぞれのハードルを乗りこえて能力を発揮できるよう大学
が支援するしくみを整えていくという動きです。職員の支援センターや相談
窓口に専門家を配置することも推奨されました。
 米国社会で、“多様性”と言った場合、実に様々な事柄を内包します。たと
えば、人種の問題は根深いものがあることは御承知のとおりです。また、性
別の問題も、男性と女性ということだけでなく、同性愛者、トランスジェン
ダーの人も含みます。国籍や宗教のちがいによる不利益の問題や、経歴(帰
還兵、麻薬中毒経験者など様々な経験も含みます)による偏見の問題など、
多くの諸問題を克服しようとしている社会ですから、比較的均質な社会であ
る我が国とは比較できない程の“多様性”を内包しているわけです。
 日本も、国際化、少子化、高齢化という社会変革の時代を迎え、この“Div
ersity Empowerment”の課題に直面せざるをえなくなったと言えましょう。
大学においては、男女共同参画という性別の視点だけでなく、年齢や国籍(文
化や宗教のちがいも含みます)、経歴(企業で活躍した人や、病気を克服した
人なども含みます)などを多角的に評価して、大学のメンバーにむかえ入れて
いくという取り組みが必要でしょう。それが、大学力の向上につながると考え
られます。
 これは病院、医療機関においても同様で、組織力強化につながると期待でき
ます。よく、「女性が働きやすい企業(病院)は、男性も働きやすく、効率が
向上する」と言われますが、女性(医師)支援の取り組みは、単に女性だけの
ものでなく、組織力強化につながるアクションであると社会全体が認識すべき
と思います。
●岐阜大学保健管理センター・大学院連合創薬医療情報研究科教授
                           山本 眞由美氏
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〔3〕イベント実施報告

①島根県:島根大学医学部附属病院
<平成22年度第2回ワークライフバランス支援室講演会>
 3月4日(金)島根大学医学部(出雲キャンパス)にて、附属病院ワークライ
フバランス支援室主催の講演会「勤務継続のための女性医師支援から戦略的女
性医師支援へ」を開催しました。講師には京都大学医学部附属病院消化管外科
の大越香江先生(NPO法人「京都の医療を考える若手医師の会」理事長)をお
迎えし、家庭責任を担いながらも外科医としての道を模索し日々奮闘するお話
とともに、女性医師が真に能力を発揮する環境整備のためには何が必要かにつ
いても重要な提言をいただきました。会場に集まった医学科学生には大きなイ
ンパクトを与えたようで、講演会終了後には大越先生を囲んで質問が相次ぎま
した。当日の講演会の様子や参加学生の感想などは当支援室のホームページに
掲載していますので、ぜひご覧ください。
↓詳しくは以下のホームページに掲載しています。
http://www.med.shimane-u.ac.jp/hospital/wlb/report4/topics_19-1.html
◇『ワークライフバランスを支援する制度及び手続き等』パンフレットを
 作成しました。
 島根大学医学部附属病院ワークライフバランス支援室では、学内に整備され
た両立支援制度の周知を様々な角度から行っています。大学のホームページに
は『次世代育成支援パンフレット』が掲載されていますが、様々な職種・雇用
形態を抱える医学部・附属病院ではこの種のweb用総括文書は利用しにくく、
自分が必要な情報や利用可能な制度がわかりにくいという声がありました。そ
こで当支援室では、”手に取れば概要が一目で分かる” 職種別「ワークライフ
バランスを支援する制度及び手続き等制度パンフレット」(A4表裏1枚)を作
成することにしました。看護師用はすでに完成し、これから多数の新人看護師
を迎える看護部には紙媒体で配布した他、HPにもPDFで掲載しています。引き
続き、医師用、その他の職員用も現在準備中です。
 ?看護師用?はこちらから。↓
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②香川県:香川県医師会
<平成22年度 女性医師の勤務環境の整備に関する病院長、病院開設者・
管理者への講習会のご報告>
先月のメルマガでも告知いたしましたが、3月17日に香川県医師会主催で上記
の講習会が開催されました。
まず最初に香川大学医学部附属病院のワークライフバランス支援室の森上純子
先生と泉川美晴先生から、現在までの取り組み・支援状況や過去3年間行った
医学生と医師の卒後キャリア情報交換会(男性の参加率も増加中)についてご
報告いただきました。
そして、イージェイネットでも大変お世話になっている医療法人創和会しげい
病院 重井文博理事長・院長先生から、「『働きやすい病院』認定を受けて~
貴院は医療従事者に選ばれる病院ですか~」のご講演がありました。
詳しいご講演内容は、以下のイージェイネットのブログに掲載しておりますの
で、ぜひ御参照ください。
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〔4〕働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(4月) 

*注意*4月の上記説明会はお休みにさせて頂いております。
5月以降の説明会の場所は、メルマガ・ホームページ等を通じて後日お知らせ
しますので、よろしくお願いいたします。

******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局よりお知らせ♪>******** 
4月配信(第16号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
3月11日の東北地方太平洋沖地震では、被害によりお亡くなりになられた方
々にはご冥福をお祈りするとともに、被害を受けられた皆さまやご家族には
心からお見舞いを申し上げます。被災地に物資などの支援がなんとか届きつ
つあると報告される一方で、今後も長引く中で避難住民の方のストレスや集
団感染などが心配な限りです。
メルマガトピックスでは、岐阜大学の林先生と山本先生に「多様性活力発揮
社会」への取り組みや、多様な人材を活用することによるDiversity Empowe
rmentについてご執筆頂きました。どちらも読み応えのある文章であり、岐
阜大学の多様な人材活用のための先見性のある取り組みに感心するばかりで
す。林先生・山本先生には、大変お忙しい中ご執筆をお引き受けして頂き、
誠にありがとうございました。
今後も、引き続き当NPOのホスピレート認証を実際に受けている病院より教
えて頂いた「働きやすい病院づくり」のポイントなど、参考になる情報を
定期的にお届けする予定です。今後もよろしくお願い申し上げます。(藤川) 
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◆◇━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━━◆◇ 
NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/ 
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・維持
・向上をめざす会)) 
NPO法人イージェイネットブログも更新中!  
このメルマガに対し、ご意見・ご感想・ご質問がありましたらメルマガ担当 
の藤川までご連絡をお願いします。 
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川) 
◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇ 
*このメルマガはイージェイネット会員および当NPO活動にご賛同頂いている
皆様へ配信中です。宛先変更・配信停止は ejnet-office@umin.ac.jp までお
願いします。 
 
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