特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

医療業界の就労環境改善や、適正な人材評価が行われるための仕組みづくりをお手伝いします。

Ejnetメルマガバックナンバー・第21号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第21号◇◆ 
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2011/8/30 ━━━ 

◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇ 
〔1〕北野病院における「短時間正職員制度」導入の経過ご報告
   ◆財)田附興風会医学研究所北野病院
            男女共同参画委員会委員長
                      武曾 惠理 氏
〔2〕会員からのイベント・活動報告
    「有りそうで、実は無かった」医師用マタニティ白衣を新たに開発
     ◆島根大学医学部附属病院 ワークライフバランス支援室
                 副室長  津森 登志子 氏 
〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
     *働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(9月)ほか
〔4〕メルマガ事務局より編集後記

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〔1〕北野病院における「短時間正職員制度」導入の経過ご報告

1)北野病院におけるこれまでのキャリア支援の歩み
 2006年2月に女性医師支援委員会を設立。当NPOのホスピレート認定を目
標として院内整備を行いました(病児保育の整備・各診療科別の復帰プロ
ジェクトカリキュラム整備・医師働き安さ評価経年的アンケートの実施な
ど)。認定ののち、2007年4月には男女共同参画委員会として対象を広げ
て活動をつづけてきました
2)「短時間正職員制度」(以下制度、とします)導入までの現状
 女性医師の育児支援では、働き方の柔軟性を広げるなど多くの工夫をし
て現場復帰を支援してきましたが、すべてこれらの方々の身分は嘱託医と
いうことでした。すなわち当直を含めたフルタイムで勤務しないという時
点でいったん退職となり、嘱託医に再就職という形で、実質的にはともか
く、社会的にはキャリアダウンのイメージが強く、モチベーションの低下、
さらには北野病院に持続的に働き続けることのメリットが薄れるという結
果を招いていたことは否めません。
3)制度導入への動きと困難性
短時間勤務であっても正職員を持続できるこの制度の導入のメリットは、
我が国全体でも広く指摘され、厚労省からも奨励・支援がされていること
はわかっていましたが、当院の場合、就業規則の変更、さらに退職金制度
とそれに伴う年金制度の変更と就業規則改定のための労働者代表選挙が必
要など、事務作業が煩雑で制度導入がなかなか進展いたしませんでした。
4)当初の取り組みとその後の変化
 当初女性医師の育児・介護を対象として対策を練りました。ここで看護
部から、夜勤業務が大きなウエイトを占める関係で、育児などでその免除
によるキャリア断絶の弊害が退職者の多さやモチベーションの低下となっ
て表れていることが訴えられました。さらにともすればその声が集約され
ない他のコメディカルの現状も女性職員が多く、夜間勤務という面では看
護部とは異なるものの、同様の傾向であることが分かりました。一方で、
短時間勤務を希望する理由は育児や介護だけではなく、例えば週に何回か
大学院に通いたい、当院の研究所部門で研究日を一日だけ取りたいなど、
自己啓発のためということも出てきました。何らかの資格など取得したの
ち、当院でその力を発揮したいという希望があっても、いったん退職とい
うことではそのメリットはなくなります。これらの状況を考え、以下のよ
うに制度の幅を広げることとしました。
①対象:全職員、全職種
②短時間希望理由のダイバーシティを広げる:育児・介護以外に自己啓発
のための勉学、体力・気力温存のための休息など
③短時間の幅を広げる:週一日勤務からフルタイムで夜勤のみなしなど。
④従来の嘱託のポストも残す(今後フルタイム復帰の計画がない方など)
5)当院の本制度導入のコンセプト
 「当人は北野病院医療人であり続けながら多彩なキャリアを積む可能性
を追求でき、病院は質の高い継続勤務者を確保できる」というコンセプト
で、基本的にはこの期間を経て現場に復帰し、さらなる自己実現を目指し
てもらうという制度です。
6)一般フルタイム正職員との差は
 この制度は、制度利用者も重要ですが、それ以外の方々の心も含めたゆ
とりにつながるということが重要な目的でもあります。そのため、制度利
用者が当直免除や夜勤免除などの希望のばあい、他の労働時間がおなじで
も、本来正職員に求められているこれらの業務を行わないということで、
一定率の給与減額がなされます。これはむしろ制度利用者からの希望でも
あり、そのことであまり気兼ねなくこの制度が利用できるということです。
この点は我が国の国民性もありますが、今後この制度がいきわたる時点で
また見直しが必要と考えています。
7)制度成立とその後の運営の実際
 当委員会からの呼び掛け文を作成し広報を重ねて職員選挙を行い、
めでたく昨年度末に承認が得られ、今年
度4月からの施行(実際は申請後3カ月で実施であり7月から雇用発生)と
なりました。8月半ばの時点ですでに女性医師2名、看護師11名、助産師1
名の制度利用が決まりました。皆女性で、育児・介護が主な理由ですが、
勉学による制度利用も2名おられ、また勤務形態も「週一日」から「夜勤
のみ勤務」など様々です.
8)今後の課題
 制度導入で全職員のゆとりが広がるかが重要で、制度利用者の働き方の
工夫を現場全体で考えていくことが何より求められます。また夜勤のみ免
除などがふえ、特に看護師の中で不公平感と夜勤者への圧迫がないかなど、
評価が必要です。自己啓発による制度利用希望者ではその結果はすぐには
出ませんので、粘り強い効果判定が重要です。そのためには本委員会など
での評価システムがうまく機能することが求められます。
(北野病院の取り組みは厚労省が支援する短時間正職員制度導入支援ナビ
に事例報告として近々掲載される予定です)
◆財)田附興風会医学研究所北野病院
      男女共同参画委員会委員長   
               武曾 惠理 氏(イージェイネット理事) 
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〔2〕会員からのイベント・活動報告
  「有りそうで、実は無かった」医師用マタニティ白衣を新たに開発

 島根大学医学部附属病院ワークライフバランス支援室では、昨年秋頃、
妊娠中の女性医師が快適に着用できる白衣が欲しいという職員からの要望
を受け、医師用のマタニティ白衣を購入して必要な職員に必要な時期だけ
貸し出すレンタル制度を考えていました。
 妊娠中の医師は、お腹が大きくなると白衣のボタンを外して着るか、サ
イズの大きな男性用などを(ウエスト以外のサイズが合わなくても!)着
ていたのが実情だったのです。ところがいざ市販の白衣を調べてみると、
看護師用には様々なタイプのマタニティ白衣がありましたが、医師用のコ
ートタイプ白衣にマタニティ用はありませんでした。まさに「有りそうで、
実は無かった」のです。
 それならば、自分たちで作ってしまおう!と、地元の白衣メーカーと産
学共同で医師用マタニティ白衣の共同研究・開発を行うことになりました。
今年の春から製作を開始し、実際に妊娠中の本学の医師たちに試着を依頼
しては何度も改変作業を行ってきました。このたび、ようやく「研究用」
としての白衣が完成し、病院長同席の下、8月16日に記者発表を行って
披露しました(平成23年5月30日特許出願済)。
 今後はこの「研究用」白衣で学内でのモニター調査を行い、さらに改良
して実用化を目指します。最終的には当初の目的通り実用版の白衣を使っ
て、支援室による「マタニティ白衣のレンタル制度」を開始することにし
ています。
 妊娠後期でも診療に従事する女性医師にとって、職務上必要であるにも
関わらず、適切に着用できる白衣の必要性にはこれまであまり目が向けら
れなかった...。私たちの今回の試みは、そこに大きな一石を投じるこ
とになったのではないでしょうか。妊娠中でも快適にまた素敵に着こなす
ことができる白衣の存在は、女性医師のストレスを緩和し、仕事へのモチ
ベーションを保ちながら産休前まで生き生きと働くための、重要なサポー
トツールの一つになることが期待されます。
 詳細は、当支援室ホームページをぜひご覧ください。開発の経緯の写真
集、記者発表で披露した白衣の写真なども掲載しています。附属病院ホー
ムページにも記者発表の記事を掲載していますので、こちらも併せてどう
ぞご覧ください。
*島根大学医学部附属病院ワークライフバランス支援室ホームページ
*島根大学医学部附属病院ホームページ
【報告者】島根大学医学部附属病院ワークライフバランス支援室
                   副室長 津森 登志子 氏
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〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ

①働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(9月)
【東京会場】
【日程】H23年9月27日(火)午後1時~2時   
【場所】株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目7番2号
    ステージビルディング9F・10F
    JR飯田橋駅 東口/西口 徒歩3分
    東京メトロ 飯田橋駅 東西線 A4出口、有楽町線/
    南北線 B2a出口 徒歩2分
【大阪会場】
*説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。
【場所】 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分
②「働きやすい病院(ホスピレート)」認証更新について
「働きやすい病院(ホスピレート)」認証更新年にあたる病院管理者の皆様に
は、詳しい資料を送付させて頂いております。詳細等ご不明の点は、大阪本部
/評価事業部までお問合せください。
 事務局メールアドレス  ejnet@ejnet.jp

******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>******** 
8月配信(第21号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
今号は、イージェイネット理事でもあります武曾先生より、北野病院におけ
る短時間正職員制度の導入状況等について詳しくご紹介頂きました。本制度
を導入されるにあたっては、院長先生のご理解を得て病院スタッフらとも協
議しながら、相当なお時間を費やして御尽力されたと伺っております。実際
に看護職を中心に利用者も多数おられるとのことで、医療人の多様な働き方
を推進する上で強力な制度と思われますので、ぜひ御一読下さい!
また島根大学の津森先生からは、マタニティ白衣の開発の記事提供を頂きま
した。実際に記者会見では報道機関が10社ほど取材に来たそうで、妊娠中の
女医さんにとっても心強いニュースとなりました。今後の実用化に向けての
続報を楽しみにしております!
今後も、引き続き当NPOのホスピレート認証を実際に受けている病院より教
えて頂いた「働きやすい病院づくり」のポイントなど、参考になる情報を定
期的にお届けする予定です。今後もよろしくお願い申し上げます。(藤川) 
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NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/ 
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・維持
・向上をめざす会)) 
NPO法人イージェイネットブログも更新中!  
このメルマガに対し、ご意見・ご感想・ご質問がありましたらメルマガ担当 
の藤川までご連絡をお願いします。 
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川) 
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*このメルマガはイージェイネット会員および当NPO活動にご賛同頂いている
皆様へ配信中です。宛先変更・配信停止は ejnet-office@umin.ac.jp までお
願いします。また本メールに返信はできませんのでご注意ください。 
*このメールマガジンの内容は、引用・転載していただいて構いません。
但し、その際は、記事内容の再編集や改ざんをすることなく、イージェイネ
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ガ記事に寄稿者名がある場合は、その寄稿者名(執筆者名)を明記していた
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