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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第32号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/7/31 ━━━
◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
〔1〕『 医療におけるコーチングの可能性 』
◆株式会社コーチ・エィ
日本コーチ協会 認定メディカルコーチ
坪田 康佑 氏
〔2〕これからのイベント
<北海道女性医師の会・札幌医科大学・北海道大学 主催>
◎これからのキャリアを語る医師と学生の会
僕たちの未来予想図~医師のワーク・ライフ・バランス~
〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(8~9月)など
〔4〕メルマガ事務局より編集後記
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〔1〕『 医療におけるコーチングの可能性 』
現在、私はメディカルコーチとして、医療機関にコーチング文化の土壌
をつくるお手伝いをしています。具体的には、院内のマネジメントに関わ
る方々、院長・医局長・教授や看護師長・部長などの方々がコーチングを
実践しながら学ぶプログラムに参加するサポートや、それらの医療者の方
々に1対1のコーチングをさせて頂いております。
◆コーチングとは?◆
コーチと聞いてまず思い浮かべるのはスポーツのコーチだと思われます
が、実はこの「コーチ(Coach)」という言葉、もともと「馬車」を表す言
葉が持つ「大切な人をその人が望むところまで送り届ける」という意味か
ら派生しています。そのコーチングは、スポーツ業界だけではなく、教育
やビジネス、マネジメントや医療業界などさまざまな分野で、「目標達成
をさせるコミュニケーション法」として活用されてきているのです。
医療業界では、対患者コミュニケーションと院内マネジメントの大きく
2つにコーチングの活用場面が分けられることが多くなっています。
◆対患者コミュニケーション◆
例えば、糖尿病患者に対する生活指導にコーチングを取り入れることに
よって、コーチングを受けた患者が受けていない患者より良い検査数値を
示すなど、対患者に対するコーチングの有用性はこれまで数々の研究論文
で明らかにされています。
また近年では米国ハーバード大学の関連病院にコーチング研究所(Inst
itute of Coaching)が設立されるなど、医療におけるコーチング活用の
研究も世界各国で進んできています。
◆医療チームのマネジメント◆
もう一つのコーチング活用場面は医療チームのマネジメントです。例え
ば、チーム医療におけるコミュニケーションの促進にコーチングを取り入
れることもその一つです。
米国政府のAHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality;医療
品質研究調査機構)の調査報告によると、70-80%の医療事故は医療従事者
間のコミュニケーションの不具合に起因しているとあります。
技術や地位にばらつきのある異なる専門家間で調整をとりながら、迅速
かつ適確な判断を求められるチーム医療。そうしたチーム内のコミュニケ
ーション向上にコーチングを活用するのです。他にも、後進育成やリーダ
ーシップの開発など、多岐にわたりコーチングが活用され始めています。
【事例】
EJNETにご紹介したい事例としては、女性医師支援活動の軸として、
コーチングを取り入れている大学病院をあげたいと思います。和歌山県立
医科大学では、平成19年度文部科学省の「地域医療等の社会的ニーズに対
応した質の高い医療人養成推進プログラム」*に対し、認定コーチの資格
保持者でもある畑埜義雄副学長が「コーチングを活用した女性医師支援セ
ンター構想」を応募したところ、採択されました。このことから、コーチ
ングを活用とした女性医師支援センター(現:女性医療人支援センター)
**を開設し、院内にコーチングを導入しはじめました。
具体的には、出産・育児によって臨床現場を離れた女性医師に認定コー
チから「将来の自己実現」という目標に関してコーチングすることを通し
て、職場復帰へのモチベーションを高め、育児休業者の組織への帰属意識
と職場復帰への意欲を高めることを行っています。その結果、復帰率の向
上やより短期間での職場復帰が実現されるなどの成果が出ています。
*「地域医療等の社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」
** 和歌山医科大学支援プログラム
◆まとめ◆
このように、コーチングは医療現場において様々な場面で活用され、成
果をあげています。認定メディカルコーチ***の資格を取得された医療従
事者の方は、現在約70名にのぼっています。病院経営の中枢にいる方が
核となってコーチングを活用することで、病院全体が活性化していく動き
を今後も支援していきたいと感じています。
*** 日本コーチ協会が付与するコーチ資格。
◆最後に◆
今回は、メディカルコーチングを中心にご紹介しましたが、弊社メール
マガジン「WEEKLY GLOBAL COACH」(発行数約17万)では、最新コーチン
グ情報やリサーチ結果、海外文献の紹介などを通じて、読者のみなさまに、
組織変革や人材開発・リーダーシップ開発を加速させていくヒントをご提
供しております。是非とも、ご登録ください。
「WEEKLY GLOBAL COACH」申し込み
◆株式会社コーチ・エィ
日本コーチ協会 認定メディカルコーチ
坪田 康佑 氏
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〔2〕これからのイベント
<北海道女性医師の会・札医大キャリアフォーラム実行委員会・
北大キャリアシンポジアム実行委員会 主催>
*これからのキャリアを語る医師と学生の会*
僕たちの未来予想図~医師のワーク・ライフ・バランス~
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◎ 昨年度は別役先生をお招きした講演会を開催し、約70名の参加を頂きま
した。本当にありがとうございます。
第2回目となる医学生主導の2大学合同シンポジウムは
東海大学の川崎先生をお迎えして、
北欧の生活スタイルからワークライフバランスと幸せについて考えます。
先輩の医師のお話を伺いつつ、未来予想図を描いてみませんか?
【日時】平成24年11月17日(土) 14:00-17:00
【場所】札幌医科大学
札幌市中央区南1条西17丁目
【参加対象】医学生、医師、医療関係者など 男女問わず
【参加費】 1000円(学生無料)
<一般講演>
・田中 真佑 先生 (北海道大学 精神科神経科)
・小林 拓馬 先生 (札幌医大 整形外科)
・工藤 真弓 先生 (北海道大学 消化器内科)
<特別講演>
「ワークライフバランスと幸せ」
◎ 東海大学国際文化学部 川崎 一彦先生
*グループディスカッションあり
【主催】 北海道女性医師の会
札医大キャリアフォーラム実行委員会(代表:半田和香子 医5)
北大キャリアシンポジアム実行委員会(代表:柴田美音 医3)
【共催】 北海道医師会 日本女医会 至誠会
北海道公立大学法人札幌医科大学
北海道大学医学研究科
北海道大学病院女性医師等就労支援事業部
<問い合わせ先>北海道女性医師の会:http:www.hmwa.jp/
事務局:FAX 011-616-2180
担当 永石 歓和(札幌医科大学解剖第2講座)
長井 桂(北海道大学第1内科)
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〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
①働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(8~9月)
*準備の都合上、3日前までにお申込ください。
【東京会場】
【日程】H24年8月28日(火)午後1時~2時
9月25日(火)午後1時~2時
【場所】株式会社アポプラスステーション 会議室
〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目7番2号
ステージビルディング9F・10F
JR飯田橋駅 東口/西口 徒歩3分
東京メトロ 飯田橋駅 東西線 A4出口、有楽町線/
南北線 B2a出口 徒歩2分
【大阪会場】
説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。
詳細は、事務局までお問い合わせください。
【場所】 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
〒541-0043
大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分
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②「働きやすい病院(ホスピレート)」認証更新について
「働きやすい病院(ホスピレート)」認証更新年にあたる病院管理者の皆様
には、詳しい資料を送付させて頂いております。詳細等ご不明の点は、大阪
本部/評価事業部までお問合せください。
事務局メールアドレス ejnet@ejnet.jp
******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>*******
7月配信(第32号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
今月は株式会社コーチエィ・日本コーチ協会認定メディカルコーチの坪田様
より、コーチングの詳しいご紹介や医療現場における活用事例、またこれか
らの活用への可能性についてもご紹介頂きました。
「コーチング」は患者さまへの治療のサポート、医療チームへのマネジメ
ントなど様々な医療現場でも活用される汎用性があり、関心も高いと思いま
す。すでに70名の認定メディカルコーチもおられるとのこと、今後の医療現
場の様々な場面での御活躍を期待したいところです。
イージェイネットとしてもコーチングにより女性医療人が、育児でしばら
く休んでも職場への帰属意識の向上や職場復帰への意欲、また高い目標を持
って働き続けるための有力な支援の方法の一つになりうると思っております
ので、本記事を通じて皆様にもご興味を持って頂ければ幸いです。
(コーチ・エィ様よりメルマガも配信されているそうなのでご興味のある方
はそちらにもぜひご登録下さい♪)
当メルマガは、会員や読者による参加型の情報発信を目指しておりますので、
皆様からぜひ載せたい記事やご意見等ありましたら、ご遠慮なくお申し出下
さい。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。(藤川)
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NPO法人イージェイネット http://ejnet.jp/
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・維持
・向上をめざす会))
NPO法人イージェイネットブログも更新中!
このメルマガに対し、ご意見・ご感想・ご質問がありましたらメルマガ担当
の藤川までご連絡をお願いします。
(お問い合わせ先 ejnet-office@umin.ac.jp メルマガ担当藤川)
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皆様へ配信中です。宛先変更・配信停止は ejnet-office@umin.ac.jp までお
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