特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

医療業界の就労環境改善や、適正な人材評価が行われるための仕組みづくりをお手伝いします。

Ejnetメルマガバックナンバー・第33号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第33号◇◆ 
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/8/29  ━━━ 

◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇ 
〔1〕『 東京女子医科大学の女性医師支援の取組 』  
  ◆東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学(一)教室 講師
  東京女子医科大学男女共同参画推進局女性医師・研究者支援センター
  女子医大ファミリーサポート室 室長
                     野原 理子 氏
〔2〕<<働きやすい病院(ホスピレート)実践レポート>> 
『本当に働きやすい職場であるために各支援制度の実情を細部にわたり毎
 月確認 ~大阪厚生年金病院・ワークライフバランス委員会に参加して~』
  ◆NPOイージェイネット  事務局    西井 弘和  
〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
  働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(9月~)など
〔4〕メルマガ事務局より編集後記

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〔1〕『 東京女子医科大学の女性医師支援の取組 』
 
「言葉は悪いけど君には何も期待していないから、お子さんの体調が悪い
時は気にしないで休んでいいよ」
 半年間の育休を明け、第1子(長女)を保育園に預けて初めの冬、育児と
仕事の両立をあきらめ、主任教授に退職を申し出た際に、当時の主任教授
からかけられた言葉です。
 その後、長女は風邪ひとつひかず元気に保育園に通っていました。する
と、「僕の定年までに二人目も生んでね。兄弟はいた方がいいよ」とのお
言葉。教授の定年退職の年に第2子(長男)も出産することが出来ました。
 「先生の生活スタイルは変えなくてよいですよ」
 前述の教授の後、新しく就任された主任教授に初めにお話しいただいた
言葉です。その2年後には、「留学はご家族で、良い時間を持ってね。私
もそうだったから」と、約2年間の留学に出させていただきました。東京
女子医科大学で働き続け今年で18年。現在長女は15歳、長男は10歳になり
ました。私は本当に恵まれた環境で仕事を続けさせていただいております。
 東京女子医科大学は、創立者である吉岡弥生先生が「婦人の社会的地位
を向上せしめよう」との動機から、「医学医術は婦人に適している立派な
職業である」ので、これを専門に教育する機関として設立されました。
その思いを継ぐ卒業生をはじめとする教職員が、110年を超えて女性医師
の育成を続けています。
 東京女子医科大学の女性医師支援の具体的取組については、東京女子医
科大学男女共同参画推進局のwebサイトをご覧ください。
 男女共同参画推進局に設置されている女性医師・研究者支援センターで
の5種類の短時間勤務制度、夜間・休日・体調不良児にも対応する病院附
属保育所やファミリーサポートのほか、女性医師再教育センターにおける
復職プロジェクトやe-ラーニングなど様々な取組があります。何よりこの
110年を超える歴史の中で数多くの素晴らしいロールモデルを輩出し、そ
のようなロールモデルによって東京女子医科大学の女性医師支援は整備が
進んでいます。
 しかし、このような環境にあっても、子どもを持つ女性医師は厳しい環
境の中で勤務を続け、あるいは断念していることも事実です。そして男性
医師も厳しい環境の中で勤務していることは同様です。男女を問わず、医
師という素晴らしい仕事を、やりがいをもって続けていける勤務環境を実
現するべく、調査研究も行っています。
「医師を育てることは医師の仕事、卒業生を育てるのが主任教授の仕事」
入室当時、主任教授がおっしゃっていたこの言葉を胸に、たくさんの仲間
たちと協力して、今後も次代を担う医師の育成に取り組んでいきたいと思
っています。  
 ◆東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学(一)教室 講師
  東京女子医科大学男女共同参画推進局女性医師・研究者支援センター
  女子医大ファミリーサポート室 室長 
                       野原 理子 氏
*医学のあゆみ242巻8号(2012年8月25日発行)に、野原先生が担当された
病院勤務医インタビュー調査報告が掲載中です!ぜひチェック下さい♪
 (次号メルマガでも報告予定です)
フォーラム【42名医局長インタビューからみえた勤務環境改善視点】
<注:上記HPの後半に題名のみの掲載です>
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〔2〕<<働きやすい病院(ホスピレート)実践レポート>> 
『本当に働きやすい職場であるために各支援制度の実情を細部にわたり毎
月確認 ~大阪厚生年金病院・ワークライフバランス委員会に参加して~』 
  
 イージェイネットが行っております『働きやすい病院評価(ホスピレート
)』は、 2006 年7月に財団法人 厚生年金事業振興団 大阪厚生年金病院を
認定第1号としたのを皮切りに、本年 3 月までに再認定を含めて20病院の
認証を行って参りました。その審査の過程で両立支援やワークライフバラ
ンスに関して、各病院のさまざまな取り組みに接する機会がございます。
本メールマガジンにて、特徴的な取り組みなどを今後ご紹介していきます。
些少ながらでも皆さまの働きやすい病院づくりの参考になれば幸いです。  
 今回は、先日、認定第1号病院である大阪厚生年金病院の「ワークライ
フバランスおよびその整備に関する委員会」を見学させていただく機会が
ございましたので、簡単にそのレポートを書かせていただきます。  
 見学させていただいた委員会は、院内保育所・病児保育の現状報告、各
部門別の子育者支援の状況報告、超過勤務の実情確認と疲労度チェックの
報告、各部門の WLB コーディネータからの報告に加え、大阪厚生年金病
院のWLBの整備を長年に渡って推進なされてきた清野佳紀名誉院長からの
WLB関連情報提供という内容でした。 
「スタッフのための制度を作るだけではなく、その実情を把握し、的確に
運営されているか、現場に支障はないか、また本当に現場のためになって
いるかを常に確認することが大切」という清野名誉院長のお言葉の通り、
各部門の担当者が集まり報告と確認がなされ、要望があれば直接に経営ト
ップに話せる場として非常に意味のある委員会と感じました。
 さらに、経営トップの側から欠員が生じる部署に対して「問題はないで
すか?」と尋ねる場面や、個別スタッフの状況についてコメントされてい
らっしゃる様子を見て、当委員会が継続的に機能していることも理解でき
ました(当委員会は毎月1回開催されています)。 
 規則や制度を整備するだけでなく、トップが常に現場の実情を把握し、
医療部門・事務部門と情報共有し、よりよい働きやすい環境を実現するた
めに行動する。日々の業務を行いながら実践していくのは、大変なことで
はありますが、適切な WLB のためには必要不可欠のことでしょう。 
 大阪厚生年金病院のご関係者の皆さま、貴重な場に参加させていただき、
誠にありがとうございました。今後の働きやすい病院の審査や評価内容の
充実を図るための参考とさせていただきます。 
           (文 責:イージェイネット事務局 西井 弘和) 
<追 記> 
 大阪厚生年金病院の「ワークライフバランスおよびその整備に関する委
員会」は、今回私どもが見学をさせていただいたように、希望があれば見
学を受付けていただけます。自院の働きやすい病院づくりのご参考になさ
りたい方がいらっしゃいましたら、ご紹介いたしますので、イージェイネ
ット事務局までご連絡ください。 
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〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ

①働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(9月~)
*準備の都合上、3日前までにお申込ください。
【東京会場】
【日程】H24年9月25日(火)午後1時~2時            
    *10月以降も毎月1回開催予定です。 
     10月以降に説明会をご希望の方は、 
     イージェイネット事務局までお問合せください。 
【場所】株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目7番2号
    ステージビルディング9F・10F
    JR飯田橋駅 東口/西口 徒歩3分
    東京メトロ 飯田橋駅 東西線 A4出口、有楽町線/
    南北線 B2a出口 徒歩2分
【大阪会場】
 説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。
 詳細は、事務局までお問い合わせください。
【場所】 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分
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②「働きやすい病院(ホスピレート)」認証更新について
「働きやすい病院(ホスピレート)」認証更新年にあたる病院管理者の皆
様には、詳しい資料を送付させて頂いております。詳細等ご不明の点は、
大阪本部/評価事業部までお問合せください。
 事務局メールアドレス  ejnet@ejnet.jp

******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>******* 
 8月配信(第33号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
今月は東京女子医科大学の野原先生に、女性医師支援の取組について詳しく
ご紹介を頂きました。特に数々の短時間勤務制度、夜間・休日・体調不良児
にも対応する病院附属保育所やファミリーサポート、女性医師再教育センタ
ーにおける復職プロジェクトやe-ラーニングなどの素晴らしい環境整備の取
り組みのみならず、理解ある教授の先生方やロールモデルとなる素晴らしい
先輩医師の先生方の存在もとても頼もしく羨ましい限りで、やはり東京女子
医科大学は国内で最も女性医師就労支援に先進的に取り組まれている大学だ
と改めて感服いたしました。
 次号メルマガでも野原先生の病院勤務医インタビュー調査研究をご報告い
たしますので、来月のメルマガも皆様どうぞお楽しみに!
(詳しくは『医学のあゆみ』最新号(242巻8号)に掲載中です♪)
 また今回初めてイージェイネット事務局より、大阪厚生年金病院WLB委員
会様への参加レポートをご報告させて頂きました。清野佳紀名誉院長様の包
容力のあるリーダーシップのもと、病院の各部門スタッフが情報共有や連携
しながら個々のケースにも丁寧に対応されたりと、まさしく私たちNPOが理
想とする働きやすい病院作りにスタッフ皆様で取り組まれておられます。
もし見学等ご興味ある方は、イージェイネット事務局までぜひご連絡下さい。
事務局メールアドレス  ejnet@ejnet.jp
当メルマガは、会員や読者による参加型の情報発信を目指しておりますので、
皆様からぜひ載せたい記事やご意見等ありましたら、ご遠慮なくお申し出下
さい。どうぞよろしくお願い申し上げます。(藤川) 
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 NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/ 
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・
 維持・向上をめざす会)) 
*NPO法人イージェイネットブログも更新中!  
 このメルマガに対し、ご意見・ご感想・ご質問がありましたらメルマガ
 担当の藤川までご連絡をお願いします。 
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川) 
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る皆様へ配信中です。宛先変更・配信停止は ejnet-office@umin.ac.jp ま
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但し、その際は、記事内容の再編集や改ざんをすることなく、イージェイ
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ルマガ記事に寄稿者名がある場合は、その寄稿者名(執筆者名)を明記し
ていただきますようお願いします。
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