特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

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Ejnetメルマガバックナンバー・第46号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第46号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2013/9/30  ━━

◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇


〔1〕『 女性医師による女性医師のための
           「Dr.MOM Nursery School」への道のり 』

   ◆メディカルコート池田耳鼻咽喉科院長
    Dr.MOM Nursery School 園長
    慶應義塾大学医学部同窓会理事(医師ワークライフ支援担当)

                    池田 美智子 氏

〔2〕今後のイベントのご案内
  
    『 帝京大学ダラム大学交流会シンポジウム 』

   ★Oct 15th「医師不足/GP/女性医師に関するミニシンポジウム」
      Teikyo-Durham mini symposium on physician shortage
   ★Oct 16th「男女共同参画企画 女性支援ミニシンポジウム」 
      Teikyo-Durham mini symposium on women in academia and medicine 
  
〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
  
   *働きやすい病院評価事業(ホスピレート)の進捗状況および説明会


〔4〕メルマガ事務局より編集後記

◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇


〔1〕『 女性医師による女性医師のための
          「Dr.MOM Nursery School」への道のり 』

 平成18年8月、母校の慶應義塾大学病院の近くの左門町で、女性医師
のための保育園「Dr.MOM Nursery School」を開設しました。そのきっかけ
は、慶應義塾大学医学部を卒業し耳鼻咽喉科学教室に入局後、約20年間
(主人のアメリカ留学に同行した3年間を除き)国立東京第二病院(現在
国立東京医療センター)で勤務医として仕事をしてから、平成5年東中野
に耳鼻咽喉科を開業して間もなく、一人の女性医師が子どもを連れて診療
所に来た時のことです。

 彼女はとても疲れ切った様子で、子どもも決して面倒が行き届いている
とは言えない状態でした。話しを聞くうちに、女性医師が育児をしながら
仕事をする環境が、私が子育てをしながら仕事をしていた30年前とあま
り変わりないことに、唖然としました。こうした後輩の女性医師を何とか
応援してあげたいと言う気持ちがむくむくと湧いて来たのを今でも覚えて
います。そうだ、女性医師のための保育園を作り応援しようと考えました。

 しかし開業して間もなくでしたので、この女性医師のための保育園の構
想はしばらく胸に温めていました。その後10年位して、女性医師が増加
し医師国家試験合格者の30%を超えるようになる中、結婚・出産・育児
のために休職・退職する女性医師の存在が、医師不足の要因になっている
ことが社会問題としてクローズアップされ始めました。

 そこで、急いで保育園の設立に取り組み始めました。保育園のニーズや
内容、保育料などのアンケート調査に始まり、施設の広さ・設計・設備・
備品。各部署への届け出、広告、保育士の募集などなどに約1年かけ、場
所探しに6ヶ月、ようやく開園にこぎつけたのは、平成18年8月でした。
診療をしながらでしたので過労のため、左耳が聞こえなくなる(低音障害
型難聴)と言うハプニングにも見舞われました。

 保育園の待機児童は未だ2万数千人と言われています。女性医師も育児
をしながら仕事をしたいと希望しても子どもを預ける保育園がなかなか見
つからない。幸運にも預けることが出来たとしても、認可・認証・無認可
の既存の保育園では、女性医師のニーズに十分対応出来ているとは言い難
いのが現状です。そこで、女性医師の仕事の特殊性を十分配慮した、その
ニーズに対応する保育園を目指しました。

 13時間の長時間保育(朝7時から夜8時迄)、夜10時迄の延長保育、
一時保育、病児・病後児保育、夕食の提供、特別カリキュラム(リトミッ
ク・体操・造形・音楽・英語で遊ぶ)の実施。十分な広さと清潔かつ安全
な施設、保育士はじめスタッフの質の高さと十分な人数など。女性医師が
仕事が出来てハッピーであると同時に子どもも保育園で快適に楽しく過ご
せて幸せでなければならないと思います。

 但し、当保育園の大きな問題は、女性医師の子どものみと対象を限定し
ているために、一切公的補助が受けられない点です。経営に対する補助金
をはじめ、保育料の補助金も受けられないのです。開設に当たり、厚生労
働省はじめ各方面に陳情しましたが、受け入れられませんでした。したが
って、未だに経営は赤字で私財だけで賄っています。

 しかし、女性医師の育児と仕事の両立を支援することで、女性医師がキ
ャリアを中断することなくもっと医療・医学の分野で活躍してくだされば
本望です。

↓Dr.MOM Nursery School/ドクターマムナーサリースクールのHPです。


  ◆メディカルコート池田耳鼻咽喉科院長
     Dr.MOM Nursery School 園長
     慶應義塾大学医学部同窓会理事(医師ワークライフ支援担当)

                      池田 美智子 氏


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〔2〕今後のイベント

  『 帝京大学ダラム大学交流会シンポジウム 』

<概要>
 10月15-16日とイギリスのダラム大学より医学教育講座のJan Illing教授、
上級講師Dr. Morrow、博士課程の学生さんの3名をお招きし、15日医師不足の
シンポジウム、16日は男女共同参画シンポジウム、17時から質的調査のセミ
ナーを開催いたします。


★Oct 15th 15:00- 医師不足/GP/女性医師に関するミニシンポジウム(教室104)
  Teikyo-Durham mini symposium on physician shortage 

15:00-15:20: Findings from systematic review on student programmes 
      in rural GPplacements  (Mr Paul Crampton;PhD student) 
15:20-15:40: Durham programme for student experience of working in 
      difficult and deprived GP settings (Prof Jan Illing) 
15:40-16:00: Shortages of doctors in underserved areas 
            (Mr Paul Crampton) 
16:00-16:20:Universal health coverage and medical system in Japan 
      (Assoc. Prof. Mariko Inoue) 
16:20-16:40:The physician shortage in Japan and the use of women in 
      physician workforce (Assoc. Prof. Nomura) 
16:40-17:00:Education program for GP in Japan 
      (Assoc. Prof. Machiko Inoue) 
17:00-17:50:Discussion: focusing on identifying solutions for physician 
      shortage in Japan 


★Oct 16th男女共同参画企画 女性支援ミニシンポジウム(教室104) 
 Teikyo-Durham mini symposium on women in academia and medicine  
 
14:30-15:00  イギリス ダラム大学の取り組み 
    Barriers and enablers to senior promotion in academia in the UK
      (Dr. Morrow and Prof. Illing) 
15:00-15:15  帝京大学の取り組み (帝京大学 野村恭子氏) 
15:15-15:30  秋田大学の男女共同参画の取り組み (秋田大学 蓮沼直子氏) 
15:30-15:45  女子医大の取り組み(東京女子医科大学 野原理子氏) 
15:45-16:00  厚生労働省科研費研究班女性医師復職・継続就労支援の取り組み 
            (聖路加国際病院臨床研究センター    坂元晴香氏) 
16:00-16:15  子育と留学を両立(仮)( 国立保健医療科学院  吉田穂波氏) 
16:15-16:30 日本女性外科医の現状と問題点ー国際比較調査よりー
        (慈恵医科大学乳腺外科 川瀬和美氏) 
  
17:00-18:00 質的研究セミナー(教室104) 
             Qualitative research methods (Prof. Illing ) 


<お問い合わせ> 帝京大学女性医師・研究者支援センター秘書・田島まで
        tajima@med.teikyo-u.ac.jp


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〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
  
  ①今後の働きやすい病院評価事業(ホスピレート)の進捗状況です。

  9月 訪問審査実施1件(大阪市内の公的病院)
 10月 訪問審査予定1件(京都市内の私立病院)
 11月 訪問審査予定1件(長崎県の公的病院)

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 ②働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会など

  東京と大阪にて、働きやすい病院評価・認証の説明会を
  事前予約制にて開催しております。
  説明会参加の旨をお申しでいただきましたら、
  随時、個別にて調整をさせていただきます。
  詳細は、イージェイネット事務局までお問い合わせください。


【東京会場】
        株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目7番2号
    ステージビルディング9F・10F
    JR飯田橋駅 東口/西口 徒歩3分
    東京メトロ 飯田橋駅 東西線 A4出口、有楽町線/
    南北線 B2a出口 徒歩2分

【大阪会場】
        株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分


******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>*******
 9月配信(第46号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
 今月は。女性医師のための保育施設Dr.MOM Nursery Schoolの池田先生よ
り、開設までのきっかけやそれまでの大変な準備、そして様々な先進的な
取り組みについて詳しくご紹介頂きました。院内保育が整備されつつあるも
未だ十分ではない現状で、特に都内は待機児童問題も厳しい中、仕事と家庭
を両立させたい女性医師らにとっても悩ましいところだと思います。

 池田先生のような先輩女性医師による多大な御尽力のもと、このような素
晴らしい保育園をご開設頂き、心強く感じられた若手の女性医師らも多かっ
たのではと推察しております。レベルの高い講師の先生方による特別カリキ
ュラムや、長時間保育だけでなく最大夜10時までの延長保育から病児保育ま
で幅広くサポートされており、通常保育では到底難しい女性医師の就労支援
を考えた手厚いサポート体制であり、ただただ感服するばかりです。池田先
生には大変ご多忙の中、ご執筆をお引き受け頂きまして、誠にありがとうご
ざいました!

 当メルマガは、会員や読者による参加型の情報発信を目指しております。
皆様からぜひ載せたい記事やご意見等ありましたら、ご遠慮なくお申し出下
さい。どうぞよろしくお願いいたします!!(藤川)
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