特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

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Ejnetメルマガバックナンバー・第47号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第47号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2013/10/31  ━━

◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
〔1〕『 大阪厚生年金病院における
            短時間正社員制度への取り組みの経緯(前編)』
   ◆大阪厚生年金病院 名誉院長         清野 佳紀 氏
〔2〕イベント実施報告
  ●第2回おイネ賞事業 
   懸賞作文受賞者決定・作文表彰式&シンポジウム(愛媛県西予市)
〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
  ①新刊本のお知らせ
     『 医療機関における産業保健活動ハンドブック 』   
    ◆編著 和田 耕治 氏 
      (国立国際医療研究センター国際医療協力局)     
   ②『 女性医師復職・継続就労支援と臨床研究のシンポジウム(東京)』
  ③ NPOイージェイネット第9回通常総会(正会員のみ)
  ④ 第72回日本公衆衛生学会シンポジウム18の参加報告  
〔4〕メルマガ事務局より編集後記
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〔1〕『 大阪厚生年金病院における
            短時間正社員制度への取り組みの経緯(前編)』

 みなさまご存知のように、病院は女性職員で成り立っています。我々の
大阪厚生年金病院でも女性職員の占める割合は77%に達しています。従っ
て、この人たちが一生を通じて、現場の中心で働き続けられるような環境
を作ることこそが病院の運営にとっては不可欠であります。
 2009年に日本医師会男女参画共同委員会では、国内の病院8,880施設を対
象とした女性医師へのアンケート調査を行いました。有効回答数は7,467
名であり、日本では女性医師に関する最大規模のアンケートでした。
 その中で、女性医師が仕事を中断・離職した理由は、1位が出産、2位が
子育てであり、他の理由を圧倒的に引き離していました。また、これら女
性医師にどのように職場環境を整備すれば、仕事が続けられたかを問うた
ところ、1位が勤務時間の短縮、残業・当直等の免除、2位が事業所内託児
施設の整備でありましたが、特に勤務時間の短縮などの要望が非常に多い
結果となりました。
 私が大阪厚生年金病院の院長に就任したのは2003年です。その頃、我々
の病院の最大の問題点は、産婦人科の診療に関するものでした。医師がど
んどん退職していき、3人まで減りましたが、そのうちの一人の女性医師が
ある日私のところにやってきて、「子どもも2人になりましたし、そろそろ
退職したいのですが」と言いました。もし彼女が退職すると、うちでは産
科を閉鎖しなければならない状況でした。
 そこで、私はとっさに「どうしたら、勤務を続けてもらえますか」と尋
ねたところ、「毎日午後4時に帰れたら続けます」と答えました。私は「そ
の条件でいいから続けてほしい」と懇願しました。これが日本における短
時間正社員制度の始まりではないかと思っています。
 その後彼女は10年間勤務を継続してくれ、昨年、開業いたしました。こ
の制度を病院に導入したおかげで、産婦人科医も10人にまで増え、当時年
間分娩数が300にまで落ち込んでいたのが、現在は750件となっています。
 もちろん、病院の運営は、短時間正社員制度だけで成り立つものではな
く、同時に職員の大幅な増加や、地域連携による地域の医師が相互に協力
しあう体制など、総合的な対策が必要であることは言うまでもありません。
次号でその具体的な方法を述べたいと思います。
↓大阪厚生年金病院のホームページです。
  ◆大阪厚生年金病院 名誉院長          清野 佳紀  氏
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〔2〕イベント実施報告

 ●第2回おイネ賞事業 
   懸賞作文受賞者決定・作文表彰式&シンポジウム(愛媛県西予市)
 西予市では、昨年に引き続きシーボルトの娘で日本初の産科女医「楠本
イネ」が医師を志し過ごしたまちとして、医学研究や医療活動に活躍する
女性を奨励することを目的とした、「西予市おイネ賞事業」を実施してお
ります。 
 全国の女性医師及び医師を志す女子医学生を対象に懸賞作文を募集しま
した結果、全国はもちろん、海外在住の方からも含めて、合計41通もの
ご応募をいただきました。精神科医 香山リカさんをはじめとする医師5
名の審査員による厳選な審査により、第2回おイネ賞受賞者が決定いたし
ましたので、受賞者と作文をご紹介します。
イージェイネットメルマガ読者の皆様にもご閲覧頂ければ幸いです。 
↓西予市 第2回おイネ賞事業のHPです。
 (作文表彰式&シンポジウムの実施内容も掲載されています)
↓第2回おイネ賞の受賞者と作文が読めます。
★お問い合わせ先:西予市政策秘書室
 電話:089-462-5000
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〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
  
 ①新刊本のお知らせ
 『 医療機関における産業保健活動ハンドブック 』    
   ◆監修 相澤 好治 氏
      (北里大学名誉教授・日本医師会産業保健医院会委員長)  
   ◆編著 和田 耕治 氏 
      (国立国際医療研究センター国際医療協力局)   
   平成25年10月1日発行 B5判/204頁/本文2色刷
   公益財団法人 産業医学振興財団
   定価:2,100円(消費税込) 
【推薦文:NPO法人イージェイネット 太田寛理事より】
 今すぐ病院で使える!最初に、そう思った。
先日、ホルムアルデヒドの扱いについて改善をしなければいけない事案が
持ち上がった。さっそく、このハンドブックを見ると、法律上必要な対策、
現場に配備されるべき書類、現場で必要な対策など、産業医として必要な
行動が示されていた。もっと詳しく知りたい時に参照するべき場所も書い
てある。
 さらに、この本には、病院特有の産業医の苦悩についても触れられてい
る。メンタル不調の労働者がいた場合、院内の精神科医に受診させるかど
うかは、悩ましい。そのような、一般の業種における産業医とは違う状況
への対応にも触れている。また、過重労働などの労務管理や患者からの暴
力への対処法など、病院管理者としても気になることについても触れられ
ている。
 私のように、いつもは臨床をやっていて産業医の活動には100%の力を注
げないような産業医でも、この本さえあれば何とかなるだろう。もちろん
ベテランの産業医でも参考になる事例が載っている。医療機関で産業医を
行っている医師、管理者たる院長や事務長にも読んでもらいたい本である。
<<★イージェイネットメルマガ読者特典★>>
 以下のイージェイネットホームページに添付している申込書、あるいは
 産業医学新興財団のHPから購入する際にイージェイネットメルマガ読者
 の旨を記載いただければ、定価の1割引&送料無料で購入可能です♪
 ★イージェイネットHPから購入される方
 ★公益財団法人 産業医学振興財団(メルマガ読者と明記下さい)
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②『 女性医師復職・継続就労支援と臨床研究のシンポジウム(東京) 』
 聖ルカ・ライフサイエンス研究所では、平成25年度厚生労働省科学研究
補助金により記日程にて女性医師復職・継続就労支援と臨床研究というテ
ーマでシンポジウムを行います。皆様の積極的なご参加をお待ちしており
ます。
開催日:平成25(2013)年12月23日(月)13:30~19:00 
会 場:聖路加看護大学1階講堂 
        アリス・C・セントジョンメモリアルホール
定 員:80名 ※定員になり次第締め切らせて頂きます 
対 象:臨床研究や疫学研究にご興味がある若手医師、
      医療機関における女性医師の就労継続・復職支援にご興味がある方
参加費:無料
※本シンポジウムは平成25年度厚生労働省科学研究補助金によって運営し、
「研究マインドを持つ臨床医に対する疫学教育プログラムの開発と基盤整
備」の一環として実施しています。
お申し込み・詳細のご案内:以下のURLからエントリーをお願い致します。
<チラシ>
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③特定非営利活動法人イージェイネット
           -女性医師のキャリア形成・維持・向上をめざす会-
 第9回通常総会
 日時:平成25年12月1日 (日曜) 15時~17時(予定)
 場所:アポプラスステーション株式会社 会議室(東京・飯田橋)
 *イージェイネット正会員様のみのご案内になります。
 詳細はイージェイネット事務局までお問い合わせください。
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④イージェイネット代表理事 瀧野敏子が、第72回日本公衆衛生学会 
 シンポジウム18「イノベーションオブパブリックヘルス~経営学から
 のアプローチ~」にてシンポジスト兼座長として登壇しました。
 ↓詳しくはこちら

******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>*******
 10月配信(第47号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
 今月は大阪厚生年金病院名誉院長の清野先生より、 大阪厚生年金病院にお
ける短時間正社員制度への取り組みの経緯(前編)についてのコラムをご提
供頂きました。まだ一部の病院にしか導入されていない制度ですが、今後増
えていく女性医師やその他女性医療人が生涯働き続けるうえで必要な制度の
一つではないかと思います。来月号の後編では清野先生より具体的な方法を
ご紹介頂けるとのことでとても楽しみです、来月も皆様お見逃しなく!
 さらに和田先生からの新著もご紹介させて頂きました。イージェイネット
HPの申込用紙から注文すると送料無料&1割引で購入可能ですし、ぜひ病院
内の産業保健活動のために一冊は必須のオススメ本です♪
 また愛媛県西予市の第2回おイネ賞事業も興味深いですね。第2回おイネ
賞事業の作文表彰式・シンポジウム開催報告も早速UPされていますので、ぜ
ひこちらも拝見頂きたいと思います。
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皆様からぜひ載せたい記事やご意見等ありましたら、ご遠慮なくお申し出下
さい。どうぞよろしくお願いいたします!!(藤川)
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(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・
 維持・向上をめざす会)) 
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