特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

医療業界の就労環境改善や、適正な人材評価が行われるための仕組みづくりをお手伝いします。

Ejnetメルマガバックナンバー・第49号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第49号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2013/12/30 ━━

◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
〔1〕『 医療機関の勤務環境改善システムについて
          ~「雇用の質」向上を目指した取組の検討状況~ 』
   ◆厚生労働省医政局総務課・看護課
      労働基準局労働条件政策課/医療労働企画官        
                      中野 孝浩 氏
〔2〕イージェイネット事務局からのお知らせ
〔3〕メルマガ事務局より編集後記
◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇
〔1〕『 医療機関の勤務環境改善システムについて
          ~「雇用の質」向上を目指した取組の検討状況~ 』

 厚生労働省の中野と申します。昨年(平成24年)9月にスタートした医
療分野の「雇用の質」向上プロジェクトの担当の「医療労働企画官」という
ポストに就いて、部局横断で、医療分野の勤務環境改善に向けて取り組んで
おります。民間企業でいえば、「プロジェクトマネージャー」といった職名
でしょうか。初の投稿となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、本日は、現在、来年の医療法改正に盛り込むべく検討中の「医療勤
務環境改善システム」についてご紹介させていただきます。医療機関の厳し
い勤務環境の改善は、言うまでもなく、かねてより重要な課題とされ、国の
施策でも、例えば、診療報酬制度での評価、各種補助制度など、様々な取組
がなされてきたところです。こうした中、現在、来年の通常国会に提出を目
指して検討中の医療法等の改正案の中に、医療機関の勤務環境改善を図るシ
ステムを盛り込むことを予定しています。その概略・ポイントは次のような
内容です。
・各医療機関において、国の定めるガイドラインなどを参考にしつつ、院長
が院内の関係者の参画の下、PDCAサイクルを活用して計画的に勤務環境改善
に向けた取組を行う仕組みを創設(勤務環境改善マネジメントシステム)
・あわせて、都道府県において、勤務環境改善に取り組む医療機関の個別の
状況やニーズに応じて、きめ細やかに支援を行う総合的・専門的な支援体制
の構築(医療勤務環境改善支援センターの創設等)
※社会保障審議会医療部会(平成25年10月4日資料)
(※医療部会の意見書は、12月27日に公表される予定です。)
 医療従事者の勤務環境改善のためには、診療報酬制度や補助制度などが重
要であることは言うまでもありません。このため、中医協でも、勤務負担軽
減について議論がなされていますし、さらに、現在検討中の「消費税財源を
活用した新たな財政支援の仕組み(基金)」も勤務環境をめぐる課題解決を
財政面の支援する重要な仕組みとなると思います。
 しかし、各医療機関の勤務環境をめぐる課題は、それぞれの「個別性」が
高い問題であることから、こうした「財政面での支援」だけでは、必ずしも
十分ではありません。そこで、各医療機関が、それぞれの病院ごとに、院内
関係者参画の下、その抱える課題・現状を認識し、改善策を検討し、計画的
に実行する、というプロセスが重要となります。医療機関での勤務環境の改
善の取組を効果的なものにするためには、各医療機関の責任者やスタッフが
一体となって、共通の目的をもって、主体的に改善に取り組むことが不可欠
だからです。こうした点も、今回の新たなシステムを創設するねらいの1つ
です。
 また、このシステムの特徴として、「規制や取締」ではない反面、「改善
計画」の領域を幅広いものとしている点が挙げられます。つまり、労務管理
面はもとより、医療スタッフの健康支援、女性スタッフの働きやすい環境整
備、ワークライフバランス、キャリア形成支援など、「働きやすい医療機関
づくり」という視点で、医療機関のニーズに応じた柔軟な領域で改善を検討
していただくことを想定しています。(※上記アドレスの資料のP8参照)
 最後に、今後のスケジュールについてです。改正医療法に基づく勤務環境
改善システムは27年度スタートを想定していますが、26年度からは、法
律に先行して、予算事業という形で、勤務環境改善支援センター事業をスタ
ートさせる予定です。また、現在、研究事業として、全国の医療機関の勤務
環境改善の成功事例の収集分析も行っており、来年度からデータベースとい
う形で情報提供できるよう準備しています。
 以上、医療機関の勤務環境改善システムの検討状況についてご紹介させて
いただきました。システムは「道具」です。こうしたシステムが実際により
よい医療機関づくりのために機能するようになるためには、できる限り多く
の医療現場のみなさんに、このシステム(道具)を活用していただくことが
不可欠です。診療報酬制度や補助制度などと一体となって、このシステムが
よりよい仕組みとなるよう、今後とも、関係者のみなさんのご意見を伺いな
がら、改善を重ね、「道具」に「魂」を入れる取組を重ねていきたいと思い
ますので、皆さんのご指導とご協力をよろしくお願いいたします。
(参考資料)関連する研究等
  ◆厚生労働省医政局総務課・看護課
      労働基準局労働条件政策課/医療労働企画官 
                      中野 孝浩 氏
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〔2〕イージェイネット事務局からのお知らせ

*働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会など
  東京と大阪にて、働きやすい病院評価・認証の説明会を
  事前予約制にて開催しております。
  説明会参加の旨をお申しでいただきましたら、
  随時、個別にて調整をさせていただきます。
  詳細は、イージェイネット事務局までお問い合わせください。
【東京会場】
        株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目7番2号
    ステージビルディング9F・10F
    JR飯田橋駅 東口/西口 徒歩3分
    東京メトロ 飯田橋駅 東西線 A4出口、有楽町線/
    南北線 B2a出口 徒歩2分
【大阪会場】
        株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分

******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>*******
 12月配信(第49号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
今月は、年度末を締め括るにふさわしい、厚生労働省の医療労働企画官であ
る中野様に、厚生労働省が部局横断で対応されている、医療分野の勤務環境
改善の様々な取り組みについて詳しくご解説頂きました。
 各医療機関における勤務環境改善マネジメントシステムの創設支援や、各
自治体単位できめ細やかに支援を行う医療勤務環境改善支援センターの設置
等など勤務環境改善への具体的な支援が挙げられており、平成26年以降も厚
生労働省は雇用の質向上に本格的に力をいれていくものと思われます。
(来年からの、全国の医療機関の勤務環境改善の成功事例のデータベース公
表も大変興味深い限りですね)
 特に「勤務環境改善システム」は、各病院のトップやスタッフの方たちに
今後いかに「うまく活用していただくか」が重要であると伺っております。
当NPOの活動も、国の進めていく方向性を踏まえつつ、今後も働きやすい病院
作りのための具体的な方法等の情報収集・発信などに力を入れて進めていき
たいと思っております。中野様には、年末の大変ご多忙な中メッセージを頂
きまして、誠にありがとうございました!
 本年度中は皆様には、当NPOの活動にご理解・ご協力を頂きまして誠にあり
がとうございました。本年も残り少なくなりましたが、皆様よいお年をお迎え
くださいませ。来年もどうぞよろしくお願いいたします!(藤川)
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(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川)
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