特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

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Ejnetメルマガバックナンバー・第50号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第50号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2013/1/30  ━━

◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
〔1〕☆★イージェイネット新春特別企画★☆
   『 市民の信頼回復から始まった公立病院イノベーション 』
            ◆松阪市長   山中 光茂 氏
〔2〕今後のイベント案内
   ①平成25年度 医学生、研修医等をサポートするための会
  ②ママドクターの会
         (主催 ふくい女性医師支援センター)
〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
  ① 代表理事 瀧野敏子からの新年のごあいさつ
   ② 働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会など
〔4〕メルマガ事務局より編集後記
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〔1〕☆★イージェイネット新春特別企画★☆
  『 市民の信頼回復から始まった公立病院イノベーション 』
   
●市民に開かれていない公立病院からの脱却
 就任して一年余りが経過したころに「赤字続きの病院収益が21年ぶりに
単年度黒字の方向へ」松阪市民病院にとっては久しぶりに明るい記事が地元
新聞の一面をかざることになりました。それまでの松阪市民病院の市民に対
するイメージは市民にとって決して良いものではありませんでした。
 単年度赤字が20年以上続き、累積赤字が77億円を超過する松阪市民病
院における市民からの批判は財政状況だけではありませんでした。医師や看
護師をはじめとする医療スタッフの接遇状態、病院ビジョンが明確でない、
地域における医療機関としての役割の不明確さ、ホスピス建設における随意
契約や高額CTの導入における経緯の不透明さなど、松阪市民病院の最大の
問題は「公立病院」として市民からの信頼感があまりにも薄いというところ
でした。
 市民病院改革は、「市民に開かれていない公立病院」というレッテルから
の「市民病院の信頼性の回復」という当たり前のテーマからのスタートであ
ったのです。
●「シンポジウム・システム」を通じて市民病院を市民に知ってもらうこと 
 就任早々に5億円規模の高性能CT導入とそれに伴う非常に優秀な循環器
医師の確保、それによる経営改善の道筋については、病院や行政だけで方向
性を決めるのではなく、市民に対して病院のいい面も悪い面もすべて情報と
して出しながらの「市民意見聴取会」を開催することにいたしました。多く
のメディアがその経過を取りあげ、市民病院が市民の「いのち」を守るため
に最大限の努力をしようとしているプロセスが市民にも伝わった初めての瞬
間であったようにも思えました。病院側としても「政策医療機関」として市
民に説明をしていくうえでの明確なビジョンをつくり、今後のあり方を説明
していくことの重要性を強く感じはじめたのです。
●病院経営において「明確なビジョン」を持って進めるこ
 まず、病院経営の戦略を総合的に企画・立案を行う「総合企画室」を設置
し、市民に常に説明責任を果たし続けていくために「松阪市民病院のビジョ
ン」を作成いたしました。7対1看護の導入や全国の公立病院としては初め
てとなる「看護師の人事評価制度」を「看護師確保策」の一環として医療収
益の1%を充てることにいたしました。これも、当初は病院側からの「看護
師の待遇改善」の要望から始まったものでしたが、病院改革の進展、患者サ
ービスの推進、看護師のモチベーション向上を総合的なビジョンとして議論
をするなかで行った政策であったのです
●医療界の常識を覆す「医療事務の全面直営化」による効率的病院運営
 これまでは多額の経費を委託業者に支払って「丸投げ」を行ってきていた
医療事務も市民病院の職員で対応していくことに方向性を切り替えました。
「総合企画室」の役割の充実化や「医療事務の直営化」の方向性は、医師、
看護部、事務部などがこれまで縦割りになっている組織体制をより横断的に
進めていく大きな端緒となったのです。結果として、事業者に「丸投げ」で
あったなれ合い体制の現場が直営化により患者サービスへの柔軟性が生まれ
るとともに、結果として病院全体としての大きな財政再建にもつながったの
です。
●市民に愛される誰もが身近に感じられる「信頼できる公立病院」へ
 市民にとって身近で愛される病院になるためには、患者への温かさを徹底
していくとともに、誰からも理解をしてもらえる「情報公開」を徹底して行
っていくことが必要であったのです。市民病院の財政状態やサービスの実態、
進むべき方向性が市民の目に常に緊張感を持ってさらされるなかで「病院崩
壊の危機感」を職員がみんなで感じてみんなで意識改革を進めながら取り組
みを進めてきたことが市民病院の市民からの信頼回復につながり、結果とし
て大きなイノベーションにつながったといえるのです。
 病院経営も自治体経営も、何をやれば成功する、何が正しいことなのかと
いう正解はないと思っています。常に「現場」の声を聴きながら、「地道に
当たり前にやるべきことを当たり前にやる」ことを愚直に繰り返す、それに
尽きるのではないでしょうか。ただ、そのためには既存のルールを変えるこ
とに躊躇せず、過去の反省や怠慢も表に出しながら、それぞれの立場でこれ
まで以上に汗を流し、これまで以上に「人への思い」が原点となる知恵を出
し合うことで初めて改革が進められるのだと確信しています。
 皆さんにとって、昨年よりも少しでも笑顔と幸せが広がる2014年であ
りますことを心からお祈り申し上げます。
↓松坂市民病院のホームページです。
↓松坂市役所のホームページです。
              ◆松阪市長   山中 光茂 氏
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〔2〕これからのイベント案内
 
① 平成25年度 医学生、研修医等をサポートするための会
 (主催 ふくい女性医師支援センター)
<<★プログラム★>> 
 1)開 会  
 2)挨 拶 
 3)シンポジウム:メインテーマ
「教えて先輩!卒後臨床研修から専門医、学位取得までのワークライフバランス」
  ①金沢大学院生整形外科 大橋 義徳 先生
  ②名古屋大学院生産婦人科 中野 知子 先生
  ③福井県済生会病院皮膚科医長 八代 浩 先生
  ④金沢大学呼吸器内科 助教 早稲田優子 先生
 4)質疑・応答 
 5)閉  会  
 【日時】平成26年2月13日(火)午後6時~午後8時 
 【場所】福井大学医学部附属病院臨床教育研修センター 
 【共催】日本医師会 福井県医師会 福井県女性医師支援センター 
②ママドクターの会のごあんない
 13 時 30 分~ ミニレクチャー「子宮頸がんワクチンはいつ打つの?」
     福井県済生会病院産婦人科  細川 久美子 先生
 14 時 00 分~ 交流会
 【日時】平成 26年 2月 23 日(日) 13: 30~16:00 頃
 【場所】福井県医師会館1階 ふくい女性医師支援センター
<お問い合わせ先>
  ふくい女性医師支援センター 
  〒910-0001 福井市大願寺3丁目4-10 福井県医師会館1階
  Tel: 0776-24-5055(相談専用)  0776-24-0387(県医師会館)
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〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
 
①<<<代表理事 瀧野敏子からの新年のごあいさつ>>>
 メルマガ読者のみなさん、こんにちは!
今年も、はやひと月が終わろうとしていますが、医療界にはアベノミクス、
TPPなどの影響も津波のように覆いかぶさってきそうです。
そのような中、イージェイネットは今年も、情報収集と感性のアンテナを
張って社会における自分たち医療人の役割を強く意識して進んでいきます。
私たちのNPOには二つの柱、すなわち、①女性医師のキャリア形成支援と、
②働きやすい病院評価認証事業(ホスピレート)、があります。
ホスピレートはお陰様で既認証病院の再審査も順調で、その上、新規認証
審査希望もいただき事務局も忙しさに嬉しい悲鳴をあげています。
 イージェイネットは認証を受けてくださった病院様に少しでも付加価値を
提供できるように、事務局も体制を整えて臨みます。
 もう一方の女性医師のキャリア形成支援についても今後は、新たな一歩を
進めます。詳細はまた本メルマガ上でもご披露しますのでご期待ください。
追伸:メルマガライターとして原稿をくださる方は大歓迎ですので、メル
マガ担当 藤川理事までご連絡ください。
      ◆NPO法人イージェイネット代表理事  瀧野 敏子
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②働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会
  東京と大阪にて、働きやすい病院評価・認証の説明会を
  事前予約制にて開催しております。
  説明会参加の旨をお申しでいただきましたら、
  随時、個別にて調整をさせていただきます。
  詳細は、イージェイネット事務局までお問い合わせください。
【場所】株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目7番2号
    ステージビルディング9F・10F
    JR飯田橋駅 東口/西口 徒歩3分
    東京メトロ 飯田橋駅 東西線 A4出口、有楽町線/
    南北線 B2a出口 徒歩2分
【大阪会場】
 説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。
 詳細は、事務局までお問い合わせください。
【場所】 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分

******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>*******
 1月配信(第50号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
今月は松坂市長であり、医師でもある山中光茂市長様に新春特集号として記
念すべきメルマガ第50号にご登場頂き、松坂市民病院における数々の画期的
な取り組みについてご紹介頂きました。(これまでマスコミ等でも取り上げ
られてきたのでご存じの先生方も多いのではないでしょうか) 
 病院のネガティブなイメージを払拭して市民からの信頼を回復し、現場の
声を聴きつつ皆で知恵を出し合い、明確なビジョンを持って数々の取組に取
り組まれてきた姿勢こそがまさにイノベーションであると感じました。現状
に到達するまでには、病院内外関係者との多くの議論や地道な努力を重ねて
こられたものと推察しておりますが、公立病院でもこのような革新的な取り
組みができるものなのかとひたすら感服する限りです。
 なお今回のコラムは昨年の第72回日本公衆衛生学会シンポジウムでご報告
された内容をベースにご執筆をお願いしましたが、その時の聴講者も大変多
く、皆様の関心の高さが伺えました。山中市長様には大変ご多忙の中コラム
をご執筆頂きまして、誠にありがとうございました!
 当メルマガは、会員や読者による参加型の情報発信を目指しております。
皆様からぜひ載せたい記事やご意見等ありましたら、ご遠慮なくお申し出下
さい。それでは今年もどうぞよろしくお願いいたします!!(藤川)
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(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・
 維持・向上をめざす会))
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 担当の藤川までご連絡をお願いします。
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川)
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