特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

医療業界の就労環境改善や、適正な人材評価が行われるための仕組みづくりをお手伝いします。

Ejnetメルマガバックナンバー・第62号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第62号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2015/1/30  ━━
 
◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
 
〔1〕☆★イージェイネット新年特別企画★☆
        『 日本看護協会が目指す看護職への就労支援について 』
    ◆公益財団法人 日本看護協会 副会長 大久保 清子 氏    
〔2〕これからのイベント案内
    ①帝京大学女性医師・研究者支援センター 
    「英国事例に学ぶスキルアップセミナー 質的研究手法講義と
    ワークショップ」
    ②福井県医師会
    「平成26年度 医学生、研修医等をサポートするための会」
〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
   * 働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会など
〔4〕メルマガ事務局より編集後記
 
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〔1〕☆★イージェイネット新年特別企画★☆      
  『 日本看護協会が目指す看護職への就労支援について 』       
 
日本看護協会の副会長を務めております大久保清子と申します。本会では、
看護職の労働環境の整備の推進を重点事業として取り組んでおりますので少
しご紹介致します。
 
日本看護協会は、2015年も引き続き看護職の働き続けられる職場づくりに
取り組み、看護の質の向上を図っていきたいと考えています。
日本看護協会が医療現場における労働環境改善に本格的に取り組み始めたの
は、2006年からです。まず2007年に労働時間の管理適正化を目指して、看護
管理者のための「働き続けられる職場づくりマニュアル」を作成しました。
 3年間で約20万部を職場変革のキーパーソンである看護管理者に、また会員
が勤務する全病院、診療所、介護保険施設、訪問看護ステーションに配布致
しました。そして2008年に5施設での多様な勤務形態導入モデル事業を行い、
その成果から多様な勤務形態や短時間正職員制度の導入の促進に努めていま
す。2010年からは、看護職のWLB推進ワークショップ事業の全国展開を各県の
看護主管課と労働局等と連携して推進してきました。このワークショップの
昨年度までの参加は43都道府県385施設であり、参加人数は82,101人です。
 残り4県については、県独自の事業を展開し成果を挙げています。また2013
年2月に発行しました「夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」は、日本初
でありまた世界初の職場の勤務環境の改善に取り組む際の指標ガイドライン
です。このガイドラインの普及にも取り組んできました。特に長時間労働は
改善すべきです。ぜひこのガイドラインを参考に改善してください。
 この取り組みを始めたころは、看護職には多様な勤務形態という働き方は
そぐわないという意見の看護管理者も多くいました。また、時期を同じくし
て政府も多くの人が働ける社会を目指して、ワーク・ライフ・バランスを謳
い始めていました。労働環境が厳しい医療現場における導入は一般企業より
も遅れるだろうという見通しだったように思います。
 しかし、短時間正職員制度の導入状況を見てみると、「制度あり」が全体
では14.2%に対し、医療・福祉分野では16.2%(2012年雇用均等基本調査)。
また、本会会員の病院に対する調査では、「すでに導入している」が24.5%
(2009年病院における看護職員需給状況調査)と高くなっており、いまや、
医療現場はこの分野におけるリーディング的な存在になっているとも言える
でしょう。
 これは、それぞれの医療現場がどうしたら働き続けられることができるか、
真剣に考え、その結果、画一的ではない多様な働き方ができることをその一
つの回答としたからだと思います。実際に、前述の調査でも短時間正職員制
度を導入している病院の方が離職率は低い結果でした。制度導入の効果とし
ては、約半数の病院が仕事と子育ての両立に対する職員の不安が軽減され、
職員の離職が減少したと回答しています。
 一方で、短時間制度を利用する人が増加し、夜勤を行う人材が不足して困
っている現場もあるようです。しかし、短時間・短日勤務であれば、夜勤を
してはいけないわけではありません。週1回であれば夜勤の交代制勤務が可能
であったり、また夜勤を希望するスタッフもいます。個別対応をすることで、
他のスタッフの夜勤回数を減らすことができます。そして、短時間勤務で日
勤のみの働き方から、週1回の夜勤を行い、その後個人に合わせて夜勤回数を
増し、土日勤務が可から、フルタイムで働くことへ、さらに通常の交代制勤
務にシフトできる等々、個人の状況に合わせて無理なくステップアップでき
る制度が重要です。またステップアップしたいと思える仕掛け(処遇、休暇
などによるインセンティブ、キャリアアップの意識づけ)を考えてみてくだ
さい。そして、ステップアップだけでなく、容易にステップダウンできる仕
組みであることも重要です。必要な時には負担の低い働き方に変更できると
いう安心感は、今はフルタイムで頑張ろうという意識にもつながります。
 看護の資格を持っているのに働いていない、いわゆる潜在看護職員が多い
ことが問題視されています。看護職の労働環境を改善するためには、それだ
けの業務量を担える看護職を確保する必要があります。昨年6月の医療介護
総合確保推進法で改正人材確保法により、離職看護職がナースセンターに届
出る制度が作られました。これは看護職員がスムーズに復職できることを目
的としています。しかし、看護職を続けていくことができない理由で離職し
ているのですから、いきなりフルタイムでバリバリと残業も交代制勤務もこ
なしてほしい、と期待するのはハードルが高すぎるかもしれません。ぜひ、
少ない日数でも、短時間でも働ける勤務形態を用意して、再就職にあたりハ
ードルを下げていただきたいと思います。そして、ここでも活きてくるのが
前述のステップアップのシステムです。
 医療、看護の現場に限らず多様な勤務形態が選択でき、状況に応じてステ
ップアップ・ステップダウンできる仕組みがあることは、女性が働き続ける
うえで重要なことです。こういった医療界の取り組みが働く女性すべてのモ
デルとなり、生き生き働く女性が増えることを望んでいます。
 
●公益社団法人 日本看護協会 webサイト
http://www.nurse.or.jp/
●e-ナースセンター
https://www.nurse-center.net/nccs/
 
  ◆公益財団法人 日本看護協会 副会長 大久保 清子 氏
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〔2〕これからのイベント
①平素はお世話になっております帝京大学医学部の野村恭子というものです。
 私が室長を務める帝京大学女性医師・研究者支援センターでは、2月5日に
「質的研究手法」スキルアップセミナーを開催いたします。
質的研究は保健医療分野で幅広く用いられている研究手法で量的研究では明
らかにできない概念の生成や関連因子の関係などを明らかにすることができ、
近年、量的と質的を融合させた混合研究手法(Mixed method)が注目されて
います。
 今回はイギリスのDurham 大学医学教育講座(the Centre for Medical Edu
cation Research, the School of Medicine, Pharmacy and Health, Durham 
University)よりJan Illing教授他3名の質的研究者を迎え初心者対象に一日
かけてわかりやすくアウトラインを講義していただきます。
 日本では系統的に質的研究を学ぶ機会は少なく、また参加費は無料です。
奮ってご参加ください。
 
●開催日  2015年2月5日(木)
●場所   板橋キャンパス102講義室
●参加費  無料
●申込   必要
●使用言語 英語(同時通訳なし)
 
講師
*Prof. Jan Illing, Director
*Dr. Madeline Carter, Associate Director
*Dr. Hannah Hesselgreaves, Associate Director
*Mrs. Charlotte Ruth Rothwell Research Fellow
 
<午前中 9:00-12:15>
Introductions
1.Perspectives / knowledge lecture: e.g. positivism, constructivism,
examples of studies
2.Qualitative methods including practical tips:
   a.Interviews (telephone, face to face, semi-structured questions)
   b.Focus groups (topic guide, use of post-its)
   c.Use of qualitative questions in surveys
   d.Mixed methods (quantitative and qualitative combined)
   e.Selecting an appropriate qualitative method from research questions
   f.Others methods(observation and documentary analysis)
 
<午後 13:15-16:30>
3.Qualitative approaches:
  a.Grounded theory (understanding when and how to use, plan to
    develop a theory)
  b.Framework theory (understanding when and how to use, used with policy)
4.Study design
5.Sampling
6.Ethics
7.Challenging areas e.g. sensitive issues
 
*なお、セミナーの参加をご希望の方は、帝京大学女性医師・研究者支援セン
ターのホームページ「お問い合わせフォーム」よりお申込み頂けますようお願
い申し上げます。
http://www.teikyo-u.ac.jp/affiliate/laboratory/support_center/
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② 福井県医師会
『平成26年度 医学生、研修医等をサポートするための会』
 
1.日時/平成27年2月12日(木) 午後6時から午後8時
2.場所/福井大学医学部附属病院 臨床教育研修センター2階 白翁会ホール    
  ◆対 象:福井県内の医師、研修医、医学生
3.演題並びに講師
  メインテーマ「教えて先輩!卒後臨床研修から専門医、学位取得までの
  ワーク・ライフ・バランス」第2巻
 
〔シンポジスト〕
●福井大学医学部附属病院 第3内科医員/本定 千知 先生
●福井県立病院 外科副医長/加藤嘉一郎 先生
●福井大学医学部附属病院 がん診療推進センター特命助教/児玉麻衣子 先生
●福井大学医学部附属病院 皮膚科助教/知野 剛直 先生
*本定先生、加藤先生には卒後臨床研修と子育ての実際を振り返ってもらいます。
児玉先生、知野先生にはママドクター、パパドクターの大変さと
大学での臨床、教育、研究をレポートしていただきます。
↓詳細は以下ホームページにも掲載しています。
http://www.ejnet.jp/activity/report/20150115_001.html
 
<問い合わせ・参加申し込み>
福井県医師会事務局、担当:福田氏
TEL:0776-24-0387 FAX:0776-21-6641
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〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ
 *働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会
  東京と大阪にて、働きやすい病院評価・認証の説明会を
  事前予約制にて開催しております。
  説明会参加の旨をお申しでいただきましたら、
  随時、個別にて調整をさせていただきます。
  詳細は、イージェイネット事務局までお問い合わせください。
 
【場所】株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都中央区日本橋二丁目14番1号フロントプレイス日本橋8階
    JR東京駅 八重洲地下街23番出口より徒歩7分
    地下鉄日本橋駅 D1出口徒歩30メートル(浅草線・東西線・銀座線)
    地下鉄茅場町駅 12番出口徒歩3分(東西線・日比谷線)
    *平成26年4月より東京会場の場所が変更になりましたのでご注意ください。
 
【大阪会場】
 説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。
 詳細は、事務局までお問い合わせください。
【場所】 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分
 
******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>*******
 1月配信(第62号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
今年初めてのメルマガは特別企画として、日本看護協会の大久保副会長様に
ご登場頂きました^^! 
 日本看護協会では、2006年から様々な取り組みに着手され、2007年には看
護管理者のための「働き続けられる職場作りマニュアル」を作成し、約3年
間で20万部の配布、2008年からは多様な勤務形態導入モデル事業や短時間
正規雇用の導入、そして2010年からは看護職のWLB推進ワークショップ事業
においては各都道府県において8万人以上が参加したりと、たった10年弱
でありながらも組織的かつ有効性の高い取り組みとその波及効果にはひたす
ら感服です!
(それでも当初は、女性が多い看護職でも多様な勤務形態という働き方はそ
ぐわないという看護管理者も多くいたというのにビックリで、女性がずっと
働き続けるという意識に切り替えていくには時間がかかると感じました)
 そして2013年には世界発・日本初の「夜勤・交代制勤務に関するガイドラ
イン」の作成と普及啓発であったり、短時間正規雇用制度もほぼ4分の1の病
院に導入されたりと民間の取り組みすらもさっさと追い抜き、今や看護師は
女性の就労支援に最も取り組んでいる最たる職種の一つだと感じています。
女性医師の就労支援と比べても一歩も二歩も先んじており、当NPOもぜひ
数々の取り組みを見習いたいと感じました~^^。
 何より、短時間正規雇用でも日勤からいずれは夜勤や週末勤務、フルタイ
ム勤務へと生活形態に合わせて徐々に移していくこともご示唆されたり、キ
ャリアアップなどのステップアップへの制度もご紹介頂く一方で、容易にス
テップダウンできる仕組みがあることでのスタッフの安心感は大きいと思い
ます。このような取り組みを続けることで病院で働く優秀な看護職の定着率
を上げ、多様な職員が長く働けることでの病院全体のパフォーマンスやチー
ム力向上、連帯感育成にもつながっていくのでは…と推察しています。
 また潜在看護職のナースセンターへの届出や復職支援などにもこれから積
極的に取り組んでいかれるのも感心するばかりで(女性医師の場合、一旦完
全に現場を離れてからの復職支援はかなり難しいと言われます…)、様々な
先進的な取り組みをお伺いしまして、大変参考になりました。
 大久保副会長様には大変お忙しい中、貴重なコラムをご執筆頂き、誠にあ
りがとうございました!
 
 当メルマガでは会員や読者による参加型の情報発信を目指しております。
また執筆者の方の自薦・他薦もokですので御遠慮なくお知らせください!!
今年も何卒よろしくお願いいたします!(藤川)
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 NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/ 
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・
 維持・向上をめざす会))
*NPO法人イージェイネットブログも更新中!
 http://ejnet.blog54.fc2.com/ 
 このメルマガに対し、ご意見・ご感想・ご質問がありましたらメルマガ
 担当の藤川までご連絡をお願いします。
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川)
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る皆様へ配信中です。宛先変更・配信停止は ejnet-office@umin.ac.jp ま
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但し、その際は、記事内容の再編集や改ざんをすることなく、イージェイ
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