特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

医療業界の就労環境改善や、適正な人材評価が行われるための仕組みづくりをお手伝いします。

Ejnetメルマガバックナンバー・第69号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第69号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2015/8/31 ━━
 
◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
〔1〕『 職場の学びを促す3タイプのリフレクション 』      
   ◆ 北海道大学経済学研究科 教授  松尾 睦 氏             
〔2〕今後のイベントのお知らせ 
〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ 
〔4〕メルマガ事務局より編集後記
 
◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇
〔1〕 『 職場の学びを促す3タイプのリフレクション 』       
   
 わたしはこれまで「人はいかに経験から学ぶか」というテーマを中心に
研究してきました。研究の対象は、営業担当者、IT技術者、公務員、企業
の管理職とさまざまですが、ここ数年、看護師、保健師、医師、放射線技
師等の医療プロフェッショナルの成長プロセスについても検討しています。 
 経験学習の理論として有名なのは、コルブという研究者によって提唱さ
れているモデルです。コルブによれば「経験する→振り返る→教訓を引き
出す→次の状況へ応用する」という4つのステップが回転することで、人
は経験から学びます。このモデルからわかるように、経験を通して成長す
るためには「振り返り」、すなわち「リフレクション」が欠かせません。 
 一流のプロと呼ばれている人々は、このリフレクションを習慣化してい
ます。例えば、サッカーの本田圭祐選手は、中学生の頃から毎日「練習日
記」をつけて、練習や試合を振り返っていますし、将棋の羽生さんも、一
局終わる毎に、開始から終局までを指し直し、自身の勝負を再検討してい
ます。 
 仕事をしているとさまざまな事が起こりますが、そうした事象をいかに
リフレクションし、教訓を引き出していくかが職場の学びを活性化するカ
ギとなります。そして、このリフレクションを促す役割を担っているのが
マネジャーです。
 そこで私は、会議や打ち合わせの場で、課長レベルのマネジャーが、ど
のように業務の振り返りを促しているかを検討しました。企業の従業員、
公務員、看護師、保健師を対象に、インタビュー調査、自由記述調査、定
量的な質問紙調査を実施したところ、リフレクションには3つのタイプが
あることがわかりました。 
 第1のタイプは、職場で生じた問題の原因や解決策を議論する「問題リ
フレクション」です。具体的には、「なぜこのような問題が生じたのか。
解決するにはどうしたらよいか」といった話し合いを指します。医療現場
でいえば、「ヒヤリハットがなぜ生じたのか、二度と起こさないためには
どうしたらよいか」という振り返りが問題リフレクションにあたります。 
 第2のタイプは、思ったことを自由に発言できるようにメンバーを促す
「自由リフレクション」です。育て上手のマネジャーは、傾聴したり、う
なずいたりしながら、メンバーが感じていること、経験したことを自由に
出せる雰囲気づくりをしています。そもそも、言いたいことが言えない状
況では、適切なリフレクションは成立しません。 
 第3のタイプは、ビジョン・目的・目標など、目指すべき方向性を確認
しながら仕事内容を振り返る「目標リフレクション」です。育て上手のマ
ネジャーは「自分たちは何をやりたかったのか」「何にこだわって仕事を
しているのか」「目標にどのくらい近づいているのか」といったことを確
認しながら仕事を振り返っています。 
 さて、これらのリフレクションのうち、職場の学びを促しているのはど
のタイプでしょうか。なお、ここでいう職場の学びとは、「メンバーが育
っている」「業務改善が進んでいる」「業務の質が高い」といったことを
意味しています。
 企業のエンジニア、公務員、看護師、保健師を対象に実施した調査デー
タを統計分析してみると、職場の学びと強く関係していたのは「目標リフ
レクション」でした。なお、調査対象が異なっても同様の傾向が見られま
した。 
 つまり、会議や打ち合わせにおいて、課長クラスのマネジャーが、自分
たちが目指しているビジョン・目的・目標を確認しながら業務を振り返っ
ている職場ほど、メンバーが育ち、業務が改善され、業務の質も高かった
のです。 
 一方、問題リフレクションや自由リフレクションは、目標リフレクショ
ンと結びつくことで間接的に職場学習を高めていました。自由記述形式の
調査からは「職場で生じた問題を検討する中で、そもそも自分たちが目指
しているビジョンは何なのかという議論に発展し、解決の道が開けた」
「何でも言える自由な雰囲気の中で業務を振り返り、自分たちのこだわり
を再確認できた」といった声が挙っています。 
 みなさんの職場では、どのようなリフレクションを実践しているでしょ
うか。業務の振り返りが、問題リフレクションに偏っていないでしょうか。
もちろん、問題や失敗の原因を探ったり、解決策を検討することは重要な
ことですが、それだけでは不十分です。 
 自由にものが言える雰囲気を作るとともに、自分たちの目指す理念・ビ
ジョン・目標を確認しながら業務を振り返るとき、職場の学びが活性化し
ます。会議や打ち合わせの場では、「問題」「自由」「目標」といった
3タイプのリフレクションを意識し、実践してみてください。
必ずや「人が育つ場」となることでしょう。 
 
     ◆ 北海道大学経済学研究科 教授  松尾 睦 氏 
  
<イージェイネット事務局よりお知らせ> 
↓松尾先生のご執筆された著書等もありますのでご参考までにどうぞ。 
①「学習する病院組織―患者志向の構造化とリーダーシップ」 
  同文館出版 2009年発刊

②「職場が生きる 人が育つ 「経験学習」入門 」
  ダイヤモンド社 2011年発刊
 
③「成長する管理職: 優れたマネジャーはいかに経験から学んでいるのか」
  東洋経済新報社 2013年発刊
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〔2〕今後のイベントのお知らせ
 
①子育て世代のワーク・ファミリー・バランス
 -どうすれば育児におけるジェンダー平等が進むのか-
Work-Family Balance of Families with Small Children: How to Achieve
Gender Equality in Parenting
 
【開催日時】2015年9月3日(木) 14時~17時
【会場】国立社会保障・人口問題研究所 第4・5会議室
 
 本セミナーでは、ワーク・ライフ・バランスの実現度が高いとされる、ス
ウェーデン、オランダ、ドイツの3カ国から第一線で活躍する専門家を招き、
各国の子育て世代の仕事と家庭生活を取り巻く状況について報告します。
男性の育児へのコミットメントを高め、男女双方が仕事と家庭を両立でき、
人として尊厳あるバランスのとれた生活を実現するための有効策を探ってい
きます。 
プログラム:
14:00~14:05 開会の挨拶   森田朗(国立社会保障・人口問題研究所所長)
14:05~14:10 趣旨説明 高橋美恵子(科研代表・大阪大学)
14:10~14:20 「3カ国のワークライフバランスをめぐるコンテクスト」 
     釜野さおり(国立社会保障・人口問題研究所 人口動向部第2室長)
14:20~14:55 「ドイツの父親支援?現場から伝えるジェンダー平等・ワーク
    ライフバランス・子ども福祉に関する政策課題と変わりゆく父親像」
       エバーハルト・シェイファー(ベルリン父親センター代表)
14:55~15:30 「オランダ社会にみる仕事と家庭の両立とケパビリティ??稼ぎ
     手1.5型モデルを超えて」
     ローラ・ドゥルク(エラスムス・ロッテルダム大学行政学科准教授)
15:30~15:40  休憩
15:40~16:15 「父親とワークライフバランス--政策はどのような違いをもた
      らすのか--国家とその先を見すえて」
      バーバラ・ホブソン(ストックホルム大学社会学科教授)
16:15~16:55 質疑応答
16:55~17:00 閉会の挨拶 金子隆一(国立社会保障・人口問題研究所副所長) 
司会:釜野さおり(社人研)・松田智子(佛教大学)
講演会・講演者の詳細は、こちらのパンフレットをご覧ください
 
* 本講演会は、平成24年度~27年度科学研究費補助金(基盤研究 (B)
課題番号:24330153)の助成による「グローバル化時代の日本男性のワーク・
ファミリー・バランスに関する研究」
(研究代表者:高橋美恵子・大阪大学、研究分担者:釜野さおり・国立社会保障
・人口問題研究所、斧出節子・京都華頂大学、松田智子・佛教大学、善積京子・追
手門学院大学)の一環として行われます。 
* ご講演・討論は英語で行われます(逐次通訳がつきます)。 
* 参加費は無料です。 なお、出席を希望される方は変更等の場合に備えて、
下記の宛先に下記の形式で申し込みをしてください(特に返事を差し上げません
が、変更のお知らせをしない限り、そのままお越しください)。 
<宛先>
 E-mail: tokubetsu@ipss.go.jp
 Fax 03-3591-4821 
  私は、9月3日の特別講演会に出席を希望します。 
  氏名Name:
  所属Affiliation:
  連絡先(変更があったときに連絡のとれる場所
  Tel  Fax   E-mail: 
★同じ内容は、
にも掲示しています。
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② 東京都&グーグル(Google):女性活躍推進
 
「女性が活躍する社会の実現に向けて」
 ~女性を活かすマネージメントの役割~
 ~働く女性の本音/未来の働き方~
 ○東京都/○グーグル株式会社
 ○日経BP(日経DUAL)/○朝日新聞出版(AERA)
 ○花王株式会社(人財開発部門)
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【開催概要】
日時:2015年9月5日(土)14:00~16:00
場所:富国生命ビル14階・第4セミナールームA
  :(東京都千代田区内幸町2-2-2)
定員:250名(先着順)
備考:参加費無料
主催:政策分析ネットワーク
協力:東京都
  :グーグル(Google)株式会社
  :新日本有限責任監査法人 
【パネリスト/モデレーター等(敬称略)】
<第1部>
○東京都 生活文化局
 男女平等参画担当部長      斎田ゆう子
○グーグル株式会社
 ダイバーシティ日本統括責任者  山地由里
○花王株式会社 人財開発部門
 組織企画部           座間美都子
○経済ジャーナリスト
 昭和女子大学研究員       治部れんげ
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<第2部>
○グーグル株式会社
 ブランドマーケティングマネジャー  山本裕介
○日経BP社
 日経DUAL編集長       羽生祥子
○女性誌編集長          (調整中)
○朝日新聞出版 AERA編集長  浜田敬子
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<全体進行係>
○政策分析ネットワーク事務局長  田幸大輔 
【政策シンポジウム:開催実績一覧】
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[3]イージェイネット事務局からのお知らせ
 
  ①医師のキャリア支援情報誌『リクルートドクターズキャリア』8月号にて、
  代表理事・瀧野がインタビューに答えた記事が下記URLにてご覧いただけます。
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 ②働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会
 
 東京と大阪にて、働きやすい病院評価・認証の説明会を
 事前予約制にて開催しております。
 説明会参加の旨をお申し出いただきましたら、
 随時、個別にて調整をさせていただきます。
 詳細は、イージェイネット事務局までお問い合わせください。  
【場所】株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都中央区日本橋二丁目14番1号フロントプレイス日本橋8階
    JR東京駅 八重洲地下街23番出口より徒歩7分
    地下鉄日本橋駅 D1出口徒歩30メートル(浅草線・東西線・銀座線)
    地下鉄茅場町駅 12番出口徒歩3分(東西線・日比谷線) 
   *平成26年4月より東京会場の場所が変更になりましたのでご注意ください。 
【大阪会場】
 説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。
 詳細は、事務局までお問い合わせください。 
【場所】 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分
 
******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>*******
 8月配信(第69号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
今月は北海道大学経済学研究科の松尾教授にコラム執筆をお願いしました!
元々は経済学(経営組織)のご専門の先生ですが、過去に様々なプロフェッ
ショナルの方達や病院管理職や医師、看護師・保健師などの医療専門職の経
験学習等への研究調査も多数手がけてきておられます。
(かつて日本公衆衛生学会シンポジウムでご発表された時にも、参加した保
健師さん達から質問も殺到して好反応だったのが大変印象的でした。)
 本号のメルマガで松尾先生からご提言頂いた「リフレクション」の3つ
の概念「問題」「自由」「目標」がどんなものかを詳しく示して頂きました。
通常組織や病院内ではどうしても起きてしまった事象(ヒヤリハット等)に
対する「問題リフレクション」に目が行きがちではないかと思います。 
 しかしこれまでの研究調査から、目標や目指すべき方向性を確認しながら
振り返る「目標リフレクション」が、職場の学びを促進する上でも最も有効
であるという結果を示して頂き、私もなるほど~!と感服いたしました。 
 ぜひ皆様の病院においても職場での学びを促し、優秀な人材を育てていく
ために「目標」「自由」「問題」リフレクションを意識して取り入れられる
事をぜひオススメします!松尾先生には大変お忙しい中ご執筆を快くお引き
受け頂き、誠にありがとうございました^^! 
 当メルマガは、会員や読者による参加型の情報発信を目指しております。
皆様からぜひ載せたい記事やご意見等ありましたら、ご遠慮なくお申し出下
さい!!(藤川)
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 NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/ 
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・
 維持・向上をめざす会))
*NPO法人イージェイネットブログも更新中!
 このメルマガに対し、ご意見・ご感想・ご質問がありましたらメルマガ
 担当の藤川までご連絡をお願いします。
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川)
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