特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

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Ejnetメルマガバックナンバー・第70号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第70号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2015/9/30 ━━
 
◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
〔1〕『 不快感情を解消する感情処理法 』      
   ◆ (株)メンタルサポート研究所代表 倉成 央 氏            
〔2〕これからのイベント
 *海外女性研究者による質的研究法セミナーとキャリアセミナー
   (帝京大学女性医師・研究者支援センター)
〔3〕イージェイネット事務局からのお知らせ    
〔4〕メルマガ事務局より編集後記
 
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〔1〕 『 不快感情を解消する感情処理法  』      
 
 皆様、始めまして。私は現在カウンセラーとして臨床・研究を行う傍ら、
カウンセラーの育成を行っています。ここ数年、医療の現場で働く医師や
看護師の方々で、メンタルヘルス不調でカウンセリングに来る方が増えま
した。医療の現場はたいへんストレスが多い職場だといえるでしょう。ス
トレス状態では不快感情が多くなります。かといってそれを職場で発散さ
せる訳にはいきません。ここでは、ストレスが多い医療現場で、ストレス
に対処するための感情発散の方法のひとつについて述べていきます。  
 現代はストレス社会、仕事の量や質についてのストレス、職場の人間関
係のストレス、家族とのストレス、子育てのストレスなど、私たちの日常
には様々なストレスがあります。 
「私にはストレスなんて無い」「私はストレスに強いから大丈夫」などと
安心している人がいますが、安心してはいけません。ストレスで不調を訴
える方の、実に多くが「私は今まで、自分にはストレスなんて無いと思っ
ていた」「私はストレスに強かったはずなのに」と言います。
 私たちは皆、日常生活で多くのストレスを感じているのです。ストレス
が無いと思っている人はそれに気づいていないだけなのです。またストレ
スに強いと思っていようが、ストレスに対抗するエネルギーが枯渇してし
まうと、誰だってメンタルヘルス不調に陥ってしまいます。 
 だから、普段から、つまり調子が悪くなったときだけではなく、ちょっ
と嫌な気分を感じているくらいの軽いうちから、ストレスに気をつけるこ
とが必要です。 
 ストレス状態に陥ったとき、心の中では2つの部分で問題が起きています。
ひとつは考えが非合理的でネガティブになります。たとえば、調子がいい
時には、「やればやった分結果が出るはず」と考えている人が、ストレス
がたまってくると「なんでやることなすことうまくいかないんだ」と変わ
ってしまいます。
 もうひとつの問題は、不快な気持が大きくなることです。例えば、落ち
込みが段々大きくなっていき、職場だけでなく家でまでも落ち込んでいる
ようになり、最後にはいつも落ち込んでいて笑顔すら無くなってくるなど
です。
 ストレス状態から抜けるために、多くの人は考えにアプローチし、ネガテ
ィブな考えをポジティブにしようとします。たとえば「うまくいかないと
きだってある、頑張ってやっていれば結果が出てくるはず」と考えようと
するのです。それでうまくいく人もいますが、多くの場合はそうではあり
ません。「そう考えればいいと頭ではわかっているのだけど、それがうま
くいかない」となってしまうのです。それは不快な気持が邪魔をしている
のです。そう考えようと思っていても落ち込みが晴れないからポジティブ
に考えられないのです。ストレスから抜け出せない状態のとき、私たちは
このような状態です。 
 そんなときには、考えではなく落ち込みという気持ちにアプローチして
ストレス状態を軽くしていきます。カウンセリング臨床や刑事施設のプロ
グラムにも使われている、「感情処理法」は気持ちにアプローチしてスト
レスを軽減する方法です。 
 ストレス状態のとき、誰でも不快な気持(不快感情)を感じています。
たとえば、イライラ、落ち込み、不安、焦り、劣等感などなど。自分が感
じている不快感情に焦点を当てて、その感情をじっくりと感じてみます。 
 不快な感情の多くは、いくら感じ続けていてもなかなか解消されません。
解消するためには、不快感情の裏側にある解決感情を探すことが必要なの
です。たとえばイライラを感じているとき、そのイライラの裏にどんな感
情が隠れているのか探ってみるのです。そのイライラの裏に、悲しみが隠
れていたとします。その悲しみに浸り、悲しみをあるがままに受け入れて
みるのです。するとイライラという不快感情は徐々に解消(処理)されて
いきます。ストレス状態のときの不快感情は解消されない、しかしその裏
にある解決感情は解消されていくのです。つまりいくらイライラを感じつ
つけても、イライラを誰かにぶつけてみたとしても、気持ちが晴れること
は無いのですが、イライラの裏にある悲しみを受け入れそれに浸っている
と、悲しみは徐々に解消され、その結果イライラも解消されていくのです。 
 このように不快感情の裏に隠れていて、その不快感情を解消することが
できる感情が解決感情なのです。ほんとうは悲しいのに相手に怒ってしま
うことってわかりますよね。そのとき相手に怒りをぶつけても気持ちが晴
れないけれども、ほんとうは悲しかったことを受け入れてワーッと泣くと
気持ちがすっきりするのと同じことです。
 カウンセリングでは、イライラして他者に批判的になっている人の不快
感情の裏に悲しみが、キレてしまうほど強い怒りの裏に怖れが、自己嫌悪
や落ち込みの裏に怒りがあることが多いものです。その解決感情を受け入
れるうちに次第に不快感情が減ってきて、ストレス状態から脱出していき
ます。これが感情処理法です。 
 この感情処理法は、自分一人でできるストレス解消法です。最近しばし
ば感じる不快感情があれば、自分の部屋で解決感情を捜し、それを受け入
れてみるのです。怒りや悲しみなどの解決感情は他者にぶつける必要はあ
りません。自分がその感情を受け入れればよいのです。
 ストレス状態に陥り、多くの時間を不快な気持で過ごすよりも、感情処
理を使って不快感情を処理し、心地よい毎日を過ごしてみてはいかがでし
ょうか。 
 
   ◆ (株)メンタルサポート研究所代表 倉成 央 氏
   
<イージェイネット事務局よりお知らせ>
★心理カウンセラーやカウンセリングについて興味のある方は、
 下記も是非ご覧ください。
 
*メンタルサポート研究所コミュニティ
 
*株式会社メンタルサポート研究所
 
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[2]これからのイベント 
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 海外女性研究者による質的研究法セミナーとキャリアセミナーのお知らせ
『グラウンデッド・セオリー・ワークショップ』と『イブニングセミナー』
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 イギリスのニューキャッスル大学から4名の講師を迎え、参加者の皆さんが
実際にインタビューデータを分析して、代表的な質的研究であるグラウンデ
ッド・セオリーを学ぶワークショップを行います。
 夕方からはイブニングセミナーを開催、アメリカのミシガン大学医学部准
教授の女性医師ジャグシー先生より、アメリカ医療界における男女格差と最
新の乳癌治療についてお話を伺います。 
参加費は無料です。お時間のある方は奮ってご参加ください。
【日時】2015年11月18日(水)・19日(木)
  グラウンデッド・セオリー・ワークショップ  9:30-12:00,13:30-16:30 
  イブニングセミナー 18:00-19:30
【場所】帝京大学板橋キャンパス大学棟105講義室
【使用言語】英語(邦文配布資料あり)
【プログラム】
 11月18日(水)
 ・グラウンテッド・セオリー・ワークショップ 9:30-12:00,13:30-16:30
   グラウンテッド・セオリーとは:概要と位置づけ
   理論的サンプリング
   データの収集と分析
 ・イブニングセミナー 18:00-19:30 
   「米国における医療界の男女年収格差」(JAMA2012 発表論文より)
 
 11月19日(木)
 ・グラウンテッド・セオリー・ワークショップ 9:30-12:00,13:30-16:30 
   分析の実践:コーディング,カテゴリーの抽出,継続的比較
   理論の生成
 ・イブニングセミナー 18:00-19:30 
  「米国の最新がん治療:患者のための賢い乳癌治療選択」
 
【講師紹介】
 グラウンテッド・セオリー・ワークショップ
   Janet Illing  ニューキャッスル大学医学教育学教授
   Charlotte Rothwell ニューキャッスル大学研究員
   Gill Morrow ニューキャッスル大学研究員
   Paul Crampton ニューキャッスル大学研究員
 イブニングセミナー
   Jagsi Reshma ミシガン大学医学部放射線腫瘍学准教授
【お申し込み方法】
  帝京大学女性医師・研究者支援センターホームページ
  「お問い合わせフォーム」よりお申込みください。
【お問い合わせ先】
  帝京大学女性医師・研究者支援センター
     〒173-8605 東京都板橋区加賀2-11-1
     TEL:03-3964-8456
   Email:women@med.teikyo-u.ac.jp
  
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[3]イージェイネット事務局からのお知らせ
 
*働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会
  
    東京と大阪にて、働きやすい病院評価・認証の説明会を
  事前予約制にて開催しております。
  説明会参加の旨をお申し出いただきましたら、
  随時、個別にて調整をさせていただきます。
  詳細は、イージェイネット事務局までお問い合わせください。
【場所】株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都中央区日本橋二丁目14番1号フロントプレイス日本橋8階
    JR東京駅 八重洲地下街23番出口より徒歩7分
    地下鉄日本橋駅 D1出口徒歩30メートル(浅草線・東西線・銀座線)
     地下鉄茅場町駅 12番出口徒歩3分(東西線・日比谷線)
   *平成26年4月より東京会場の場所が変更になりましたのでご注意ください。
 
【大阪会場】
 説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。
 詳細は、事務局までお問い合わせください。 
【場所】 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分
 
******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>*******
 9月配信(第70号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
今月のメルマガは、(株)メンタルサポート研究所代表である倉成央先生にご
登場頂きました。大変お忙しい中、先生にはご執筆をお引き受け頂きまして
誠にありがとうございました! 
 特に看護職などは感情労働(本来の感情を押し殺して業務を遂行すること)
のお仕事と言われており、仕事の負担も過大であり、多くの医療職の方々が
倉成先生のもとに相談に行かれるとお伺いして、深く納得するところです。
ストレス状態から生じる不快感情に対してその深層まで深く迫り、その裏に
ある解決感情を見出して対処することでストレスや不快感情にも上手く対処
することができる「感情処理法」に私自身も大変興味深く感じました。
 医師や看護職などの医療職は責任も重く、何かとストレスを抱えやすいと
も言われます。まずは軽いストレスのうちから、日頃のセルフケアとして
「感情処理法」で対処することで、仕事のストレスを抱え込まずに働き続け
ることが可能とも感じました。ぜひ一度お試しくださいませ。(もちろん一
人で解決できない問題の場合は、ぜひ早めに上司・同僚にご相談下さいね) 
 なお倉成先生方が取り組んでいるお仕事に「婚活カウンセリング」もある
そうで、これは幸せな結婚に向けて障害となっていると思われる性格面の部
分の改善(結婚に良いイメージが持てないとか、子育てをするとキャリアか
ら外れるという不安)に有効だそうなので、もしご興味のある方がいらした
らこちらもオススメします^^!
 当メルマガは、会員や読者による参加型の情報発信を目指しております。
皆様からぜひ載せたい記事やご意見等ありましたら、ご遠慮なくお申し出下
さい!!(藤川)
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 NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/ 
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・
 維持・向上をめざす会))
*NPO法人イージェイネットブログも更新中!
 
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 担当の藤川までご連絡をお願いします。
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川)
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