特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

医療業界の就労環境改善や、適正な人材評価が行われるための仕組みづくりをお手伝いします。

Ejnetメルマガバックナンバー・第76号

━ http://ejnet.jp/  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第76号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016/4/29  ━━
◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
 
〔1〕『 お仕事と子育ての両立は・・・多分大変 』     
      ◆西ノ島町立浦郷診療所・隠岐島前病院 
                                                白石 裕子 氏   
〔2〕イージェイネット事務局からのお知らせ
   
◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇
 
〔1〕『 お仕事と子育ての両立は・・・多分大変 』 
        
 このたび九州で被災されました皆様にお見舞い申し上げます。
 
 お仕事と子育ての両立は・・・多分大変。と思ってはいたものの、やはり
そうでした。最初に子供が熱を出したのは、島に引っ越して10日目、私たち
夫婦の前には外来カルテが山積み、途方にくれる暇もなかったのです。子供
も生後8ヶ月で保育園に行き始めたばかり、熱を出すのは予想できたはずな
のに!と今ならわかるけれど、初めての子育てしながらの勤務で、全くなん
の用意もしていませんでした。ほんとうにうかつですよね(笑)。夜勤明け
の看護師さんが、“私が連れて帰ってみておくからね!”と対応してくださ
り、まさに白衣の天使だと思ったこと、いまでも昨日のことのように思い出
します。
 
 それからはや18年、子供は4人に増え、末っ子が10歳になります。保育園
は16年通いましたが、おむつや着替えの洗濯からトイレトレーニングなど本
当にお世話になりました。病気の時は、あらかじめ契約していた保育ママさ
んと連絡を取り、対応してもらったので、子供の病気で仕事に穴をあけるこ
とはほとんど無しで済みました。保育ママさんといっても資格を持っている
わけではなく、ご近所の気のいいご夫妻、親戚の双子ちゃんのお世話経験の
あるご夫妻などなど、普通の子供好き世話好きな方々です。電話一本で保育
園に迎えに行き夕方までみてくれたり、我が家に来て面倒見てもらえること
もあれば、自分で保育園に迎えに行き、解熱剤とミルクや着替えを詰めたマ
マバッグとともに子供をあずけることも。夕方、というより夜になってお迎
えに行くと、お風呂あがりの子供と洗濯済みの服、さらに夕食のおかずを一
品いただいたり、私たち家族全体の面倒を見ていただくのみならず、子供に
対する接し方叱り方ほめ方、家事の片付け方など、いろいろなことを教わり
ました。ご近所との付き合い方や旦那様への気の使い方なども盛り込まれて
いたような気がします。
 
 大切な我が子を、他人にあずけることはちょっと遠慮、という意見、特に
病気の時などは母親が自分で世話するべきとの考えもあるでしょうが、私と
しては、まず自分に余裕がなかったこと、親も遠方ですぐに駆けつけられな
いことから島のご近所さんに子育てを助けていただきました。結果として、
子育てに“こうでなければ”という決まりはなく、100人子供がいれば、100
通りの多様なものだと学べた、“親育ち”のいい機会になったと思います。
 
 また、“人に任せられる”ということも地域の中で生きていくには大事な
力だとも感じています。ひとは頼られれば応えてくれ、より頑張れるし、人
間関係も良くなる。女性で頑張って働いている人はなんでも自分自身の力で
実行できる方が多いです。特に女医さんをはじめ医療関係者や教育関係者の
方は、子育てを人任せにはできないという考えもあるでしょうが、時には肩
の力を抜いて人に甘えたり頼ったりしてみる経験も、人間関係や人間力アッ
プにつながるかもしれません。
 
 地域医療、なかでもへき地や離島ではとくに、医療者と患者さんとの距離
が近く、スーパーや保育園の送迎ですれちがうときに健康相談をされること
もあります。いつも満面の笑顔対応というわけにはいかないし、いい加減な
ことも言えないけれど、適度な節度を保って、“誰か“だけを特別待遇しな
いようにと考えています。この人には出来るけど、あの人だとちょっと出来
ないようなことは、しないということです。
 
 例えば患者に入院が必要となり近くの病院に転院させるとき、お孫さんは
同級生だし、ついでだから自分の通勤車に乗せてあげたいという気持ちは芽
生えても、みんなにそういうサービスはできないから、この人だけ特別には
しない。医師-患者関係だけでなく、同じ地域の住民同士であり、子供の保
護者同士つながりなどもあるので複雑なようですが、どんなところにいても
人間関係は複雑なもの、と割り切って絶妙なバランスを保つことを心がけて
います。
 
 空気は綺麗でリゾート地、歴史深く自然もあふれる暮らしではあるのです
が、地方の小さな自治体ですから看護師不足は当然、介護士や保育士まで不
足しています。ただでさえ少ない看護師さんの勤務環境を少しでも改善させ
たいし、島の医療チームのママさん看護師のみならず、島の働くママ達が安
心して仕事ができるようにと、病院内に病児・病後児保育室を開設しました。
病後児保育は地元の保育園で行われていましたが、人材不足で継続困難とな
り、町に委託となったのが2年前。
 
 病後児保育も大事ですが、働くママにとっては急な発熱で保育園早退を言
い渡されたとき、その日に子どもをあずける先があるかどうかが重要。その
ことは私も身にしみて感じていましたので、病児保育も扱うこととし、病院
内の1室を確保、国や県の補助金等を利用してリフォームして2014年5月に開
設となりました。利用者は年間約120人ですから2日で1人の利用があり、7割
が病児、7割が男児、年齢別では1歳児が4割で3歳児までで9割を占めました。
また、病院スタッフの利用が3割にのぼり、病院スタッフ確保の一環としても
有効でした。
 
 15年前に乳飲み子を抱えながらイベントで書いた、未来の自分への手紙。
転勤で住所変更を重ねて届かないかもと頭をよぎったことだけ覚えていて、
内容もいつごろ届く設定だったかも忘れてしまっています。いつ届くかな?
もし、仕事がバタバタで子供は寝付きが悪くて、家事も手がまわらないよー
といった愚痴だけ書いてあったら、やっぱ成長してないなーと笑ってしまい
そうです。
 
 とはいえ保育園時代が終わり、小学校が過ぎると子育ても一段落。最近で
は母校自治医大女子卒業生のワークライフバランスを考えるワーキンググル
ープへの協力をしたり、プライマリ・ケア連合学会学術大会で「究極の女子
会」を開催し、前途ある若手女性医師や学生さんが、生き生きと働き続ける
為に何か出来ることはないかと模索しています。興味のある方はぜひのぞい
てみてください。(2016年6月12日12時-13時、台東区民会館)
 
 また、離島というカネ、ひと、モノ全て限られた環境で、すべての患者さ
んを治すことはできなくても、求められることにはできるだけ応えようと工
夫を凝らしたこと、調べて実践してきたあれこれを共著で出版したところ結
構好評で、夫のドクターG出演記念でさらに売れ行き好調となっています。
 
 その本“離島発 今すぐ使える!外来診療 小ワザ離れワザ(中山書店)”
にも書きましたが、地域医療で大事にしていることをABCDEでまとめますと
A:アンテナ、B:バランス、C:コミュニケーション、D:デイリーワーク、
E:エンジョイ、そして最後にF:ファミリーで過ごすと、もっと楽しくなる
地域医療、自分への手紙が届け先不明で届かなくなる日は、まだしばらく来
そうもありません。
 
↓隠岐島前病院のホームページです
 
【略歴】
1994年自治医大卒
1996年3月まで徳島大学病院小児科と徳島県立中央病院でスーパーローテート
   研修
1998年から西ノ島町立国民健康保険浦郷診療所長、隠岐島前病院勤務
 
【学会・専門医】
日本内科学会専門医、日本小児科学会専門医、日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医
 
【資格】アマチュア無線2級、小型船舶1級、自動2輪、普通自動車免許
 賞与 第2回やぶ医者大賞授賞(2015年)
 夫は自治医大の2年先輩で徳島県出身、子供は9歳から18歳まで4人です。
  
           ◆西ノ島町立浦郷診療所・隠岐島前病院 
                                                 白石 裕子 氏
 
<<イージェイネットからのお知らせ>>
 「離島発 いますぐ使える! 外来診療 小ワザ 離れワザ」
↓中山書店様から好評発売中です!
 
 NHKテレビ『総合診療医ドクターG』2016年1月21日
↓白石吉彦先生がご出演されてます。
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
[2]イージェイネット事務局からのお知らせ
 
 *働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会
  東京と大阪にて、働きやすい病院評価・認証の説明会を
  事前予約制にて開催しております。
  説明会参加の旨をお申し出いただきましたら、
  随時、個別にて調整をさせていただきます。
  詳細は、イージェイネット事務局までお問い合わせください。
 
【場所】株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都中央区日本橋二丁目14番1号フロントプレイス日本橋8階
    JR東京駅 八重洲地下街23番出口より徒歩7分
    地下鉄日本橋駅 D1出口徒歩30メートル(浅草線・東西線・銀座線)
    地下鉄茅場町駅 12番出口徒歩3分(東西線・日比谷線)
   *平成26年4月より東京会場の場所が変更になりましたのでご注意ください。
 
【大阪会場】
 説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。
 詳細は、事務局までお問い合わせください。
 
【場所】 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分
 
*********************************************************************
◆◇━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━━◆◇
 NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/ 
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・
 維持・向上をめざす会))
*NPO法人イージェイネットブログも更新中!
 http://ejnet.blog54.fc2.com/ 
 このメルマガに対し、ご意見・ご感想・ご質問がありましたらメルマガ
 担当の藤川までご連絡をお願いします。
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川)
◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇━━━━━━◆◇
*このメルマガはイージェイネット会員および当NPO活動にご賛同頂いてい
る皆様へ配信中です。宛先変更・配信停止は ejnet-office@umin.ac.jp ま
でお願いします。また本メールに返信はできませんのでご注意ください。
*このメールマガジンの内容は、引用・転載していただいて構いません。
但し、その際は、記事内容の再編集や改ざんをすることなく、イージェイ
ネットのメールマガジンの記事であることを明記していただくことと、メ
ルマガ記事に寄稿者名がある場合は、その寄稿者名(執筆者名)を明記し
ていただきますようお願いします。 
Ejnet 入会案内
HOSPIRATE 病院の就労環境評価・認定サービス
メルマガバックナンバー
熱中症予防 声かけプロジェクト(JEC)
ひと涼みスタイルBOOK